千畳敷

普段は海水の下にあって干潮の時にだけ姿を現す、平べったい岩礁を「千畳敷」と言います。青森県の深浦千畳敷や兵庫県の今子浦が有名ですが、福岡県の若松北海岸にも千畳敷があります。

たまたま近くを通りかかったので寄ってみました。海上保安庁水路部の計算によれば、奇しくも本日(4月15日)は大潮にあたるとのことで、最も潮が引くのは16時16分だそうです。

千畳敷 千畳敷

時間は15時半頃。かなり潮が引いています。なるほど、岩のひび割れが遠くから見ると畳のようですね。まさに千畳敷です。

展望レストラン

この時期は営業していないようでしたが、このような洒落た展望レストランも建っていました。まるで、アガサ・クリスティーの「白昼の悪魔」の舞台となった、遠浅の海を渡っていくリゾート地のようです。

千畳敷

潮の香りを満喫しました。

都庁舎はバブルの塔か

東京都庁
(c) Wiiii CC BY-SA 3.0

早いもので、現在の東京都庁舎が竣工してから23年以上たちます。当時の鈴木俊一都知事のやや強引とも言える手法は反発を生み、世はバブル経済の真っ最中であったことから「バブルの塔」などとも揶揄されました。

なるほど、バブル景気でもなければあのような立派な庁舎は建てられなかったでしょうから、その意味ではまさしくバブルの塔です。

しかし、多額の税金を投入して無駄なものを作った、という意味で言っているとしたらそれは少し違うように思います。丸の内にあった昔の庁舎は、老朽化していた上に手狭で、早晩移転は免れませんでした。

新宿という便利な場所に、多くの機能を集中した超高層ビルを建てることが出来たのは、むしろ「バブルの賜物」と言うべきでしょう。

鈴木氏は東京オリンピック、大阪万博を仕切った

鈴木俊一氏は東京オリンピックの時副都知事で、都政を事実上取り仕切っており、また、大阪万博の時は日本万国博覧会協会事務総長でした。

このようにイベントを成功させることで出世してきた鈴木氏は、新庁舎建設という大きなイベントをもって政治家人生の締めくくりとしたかったのでしょう。

そういう観点からすれば、あの庁舎は鈴木俊一の虚栄心が具現化したものと言えなくもありません。彼の敵にとっては見るのも厭わしいことでしょう。

しかし、都全体、ひいては日本全体から見ると、その動機はどうあれ、よくぞ建ててくれたと誉め称えられてしかるべき業績です。

もし都庁を建てなかったら?

このことは、仮に都庁を建てずに他のことに予算を使っていればどうだったかを考えるとより一層はっきりします。もし、最近の某政党のスローガンのように「コンクリートから人へ」などと都民に配っていたら、バブルを加熱させるだけで何も残らずに終わってしまったことでしょう。

そう、なにかが残ったということが大切なのです。

バブル、すなわち泡沫、あぶく銭です。でも、あぶく銭であっても、それで家を建てたなら賢明です。たとえ一文無しになっても、家があれば夜露をしのぐことは出来ますから。

ギャンブルですったり、キャバレーで豪遊したりして、何も形に残さずにお金を失ってしまえば、それこそホームレスです。

維持費が問題だが……

確かに、現在の都庁は巨大で、また構造も特殊であるために、かなりの維持費がかかるという問題はあります。しかし、古く、建物が分散していた旧庁舎に留まっていたとすれば、さらに多くの維持費がかかったはずです。

あの独特の形が都民にも親しまれ、また観光名所にもなっているという、シンボル的意味合いも小さくありません。

新都庁建設はバブル期のお金の使い方としては決して悪くなかったと言えます。

彦島老の山公園

下関周遊の3回目です。

今回は彦島の老の山公園です。以前にもそばを通ったことがあるのですが、頂上まで登ったのは初めてです。

老の山公園

小さな船の軌跡がたくさん見えます。

たんぽぽ

足下にたんぽぽを見つけました。

たんぽぽの綿毛

頂上付近で、一人の男性がカメラバッグから一眼レフを取り出していました。同好の士というわけですが、一つ私と違うのは、彼はスポーツタイプの自転車に乗っていたことです。

なるほど、自転車なら押して歩けば歩行者と同じ扱いだし、どんなとこでも入っていけますね。

オンロードのバイクだと基本的には車で行ける場所にしか行けませんからね。

バイク

運動にもなるし、自転車+カメラというのは良い組み合わせかも知れません。

みもすそ川公園

下関市周遊の2回目はみもすそ(御裳)川公園です。源平合戦の古戦場として名高い壇ノ浦に面する公園です。

平知盛 源義経

平知盛と源義経の像が置かれています。「平家物語」に、もはやこれまでと悟った知盛は、浮かび上がらぬよう碇を担いで海に飛び込んだ、とあります。

長州砲

長州砲

下関戦争の折にイギリス・フランス・オランダ・アメリカの艦艇を砲撃した「長州砲」のレプリカもあります。

ちなみにこのレプリカ、なんと100円入れると20秒後に轟音とともに煙が出るという、考えようによってはトホホなギミックを搭載しています。試しにやってみました

長州砲

うっすらと煙が出ているのがお分かりでしょうか。周囲の迷惑にならない程度のマイルドな「轟音」と無臭の煙(おそらく水蒸気)です。

みもすそ川公園

松本清張の文学碑。『半生の記』の一節が刻まれています。弾痕のような穴は単なる趣向で、下関戦争の遺物というわけではないようです。

火の山ロープウェイ

背後を振り返ると、火の山ロープウェイが見えます。実はまだ乗ったことがありません。そのうち乗ってみたいですね。

住吉神社

天気が良いので山口県の下関の町をぐるぐる回ってみました。たくさん写真を撮ったので、3回に分けてお送りします。

まずは住吉神社です。

住吉神社・本殿住吉神社・本殿

この見事な本殿は、なんと国宝です。周りに厳重な柵があって立ち入りは禁止されています。

功山寺の本堂といい、長州には国宝が密集していますね。さすが、毛利家のお膝元です。

余談ですが、長州藩は表高(おもてだか)は36万石ですが実高(じつだか)は54万石ほどあったそうです。幕府が大名を動員して行った手伝普請や参勤交代、その他諸々の費用は全て石高に応じて決められましたから、この表高と実高の差は大いに藩を潤わせたといいます。

年収540万の人が360万しか申告してないようなものです(笑)

幕府をも凌ぐ経済力を得たことが、長州が維新揺籃の地となった一因でしょう。

住吉神社・本殿住吉神社

一見するとなんということはない田舎の神社なんですけどね。

住吉神社・鳥居・桜

この長閑な感じからは、ここに国宝があるとは信じられませんね。

チンタラした車にクラクションを鳴らす? 鳴らさない?

先日車で大分に行きました。途中、赤信号で直進可の矢印が出る信号があり、先頭で止まっていた私はボケーッとしていて矢印が出ているのに発進しませんでした。

初めての道だったことに加え、右折可や左折可、あるいは左折+直進可の矢印はよくあるけど、直進のみ可は珍しいですからね。普通の青信号とどう違うんでしょうね。

で、数秒後に慌てて発進して思ったのが「あれ、クラクション鳴らされなかった?」ということです。普通だったら絶対鳴らされるタイミングだったのに。

バックミラーをチラ見すると、スーツにネクタイのサラリーマン風の人でした。

やはりサラリーマンや公務員は敢えてクラクションを鳴らさない人が多いのだろうと思います。思わぬことがトラブルの引き金になるもので、現にクラクションがきっかけの殺人事件も起きています。

うっかり鳴らして、相手がヤクザだったら……。あるいは、会社の上司や取引先の偉い人だったら……。近所の人とケンカになるのも面倒です。一歩間違えば、何十年もの住宅ローンで買った夢のマイホームが一転して苦痛きわまりない場所になります。

そういうわけで、会社や役所など、組織の中で生きる人はクラクション一つ鳴らすのもためらいがちです。

その点、賃貸アパートに住むフリーターなどは気楽なもので、ムカつくことがあればさっさと仕事を変えたり引っ越したりすれば良いわけです。

ややもすると、だからフリーターは我慢を知らぬ、マナーが悪い、という偏見にも繋がりますが。

もちろん、実際には労働環境よりも個人の性格によるところが大きいでしょうけどね。公務員でも鳴らす人は鳴らしますから。

「クレーム」には不当な要求という意味はない

とある掲示板を見ていて面食らいました。

「~は正当な抗議だから、クレームとは違う」とう書き込みを見たからです。

どうもこの人の中ではクレームという言葉には「不当な」というニュアンスがあるようです。しかし、英語の”claim”は、辞書(ランダムハウス英語辞典)によれば、

…を(当然のものとして)要求する;〈支払い・賠償などを〉請求する;…の所有権を主張する,〈落とし物などの〉返還を求める;〈権利・資格などの〉承認を要求する;〈…するように〉要求する

などといった意味です。別に「不当な要求」というニュアンスはありません。(ただし、claimer は要求ばかりしている人ですから「不当」と見なされることもある)

恐らく、声高に権利を叫ぶことを嫌う日本人の体質が、クレーム=不当というイメージを生んだのでしょう。

もう一つ、普通の日本人が殆どクレームをつけないため、クレームをつけるのは普通ではない人達、例えばヤクザなどが多いということもあります。

なんにせよ、これからの時代、正当なクレームならどんどん言うべきです。問題は正当なクレームと不当なクレームの境界はどこにあるか、ということです。

目印は「権利であるか否か」です。

  • 店員の態度が気にくわない → 正当なクレームではない。良い接客を受けることは権利ではないため。気にくわなければ他の店へ行けば良い。
  • 床に落としたパンを取り替えずに売ろうとした → 正当なクレーム。客は床に落ちてないパンを買う権利がある。

権利を主張しないのが美徳、などというのは間違っています。必要な時、必要な場所で正しくクレームをつけられる人間になりたいものです。

au の不要なオプション

au の携帯電話を使っています。契約時にできるだけ余計なオプションは付けないようにしたつもりでしたが、気づいたらいっぱい付いてました。

auお客様サポートの「契約内容を確認 / 変更する」で、変更できます。

au オプション設定

まずは、待ちうた。私にとっては全く不要なサービスです。100円。これに入らされていたのは不覚でした。

次に三者通話サービス。これも不要ですね。200円。そんなに友達いないし(笑)

そしてお留守番サービスEX。300円。通常のお留守番サービスは3分×20件のところ、3分×99件に拡張され、保存される期間も48時間から1週間に伸びるというものです。うん、必要ないですね。20件で十分です。

迷惑電話撃退サービスはいわゆる着信拒否ができるものです。100円。使ったことはありませんが残しておきましょうか。

テザリングオプションはですね……。めったに使わないのですが、非常用としてそのままにしておこうかと思います。500円と大きいのですが。

英語の諺に、

“Take care of  pence, and the pounds will take care of themselves.”

というのがあります。直訳すると、小銭の世話を焼け、大金の世話は彼ら自身が焼く、という意味ですね。

お金とは、一定以上集まると生き物のように勝手に増殖し始めるもののようです。だから、大金は放って置いても大丈夫。むしろ小銭の出入りに気をつけろ、ということですね。

そういうわけで、電話代を月600円ほど節約してみました。

林芙美子のふるさと

北九州市門司区の小森江公園というところに林芙美子の文学碑があります。

林芙美子・文学碑

林芙美子の生誕の地については諸説あり、本人は山口県の下関と言っていたそうですが、門司の小森江という説もあり、また出生届では鹿児島となっています。

この碑は小森江生誕説に拠るものですね。

真相はともかく、

いづくにか吾古里はなきものか

葡萄の棚下に
よりそひて

よりそひて
一房の甘き実を食み
言葉少なの心安けさ

「掌草子」の一節ですが、「よりそひて」と二度繰り返しているところに痺れます。幼少の頃より各地を転々として「自分にはふるさとがない」と感じていたという林芙美子ならではの、心に迫る文です。

小森江公園

小森江公園は桜が満開でした。