Oculus Rift を買った

注文からセットアップまで

久しぶりにPCネタです。去年の暮れ、26日だったかにふと思い立って Oculus Rift を注文しました。

FedEx のトラッキングページを見ると無事に日本に到着し、この分だと正月明けには届くかなと思っていたところ、29日になって”Delivery exception” と表示されてしまいました。理由は “Incorrect address” となっています。

Delivery exception

このままでは宛先不明で送り主に返送されてしまいます。Oculus のメールに記された宛先を見ると、「区」が抜けていました。私のミスのようです。日本の郵便屋さんなら少々不完全な住所でも届けてくれたりしますが、国際貨物には通用しないのでしょう。

ただ、「別の住所に送ってくれ」というわけではなく、「区」以外は合っているので話せばなんとかなりそうな気がします。

そこで、FedEx に電話してみることにしました。年末で日本語サポートは休みとなっており、英語の方にしか繋がりません。どうにか用件を伝え、トラッキングナンバーを言うと、ノープロブレムだそうです。助かりました。

そういうわけで、年明け4日には届きました。正月を挟んだ上にトラブルもあったわりには早かったです。

セットアップを始めて重大なことに気づきました。ビデオカードが古すぎるのです。「ドライバを更新してください」とのメッセージが出てソフトウェアのインストールが完了しません。迂闊でした。結局、GTX1060 のビデオカードを新たに購入しました。

Oculus はヘッドセットを HDMI と USB3.0 で、2つのセンサーもそれぞれ USB3.0 で接続する必要(センサーのうち片方は USB2.0 でも良いようです)があるため、USB の帯域を大量に消費します。オンボードの USB でも動作はするのですがどうも不安定で”Sensor Poor Tracking Quality”というエラーが頻発するので、こちらもカード(Inateck USB3.0)を増設しました。

以降は安定して稼働しています。自作PCではパーツを繋いでみるまでちゃんと動くか分からないのが困ったところでもあり、醍醐味でもありますね。

ゲームで遊ぶ

まずは、無料で入手できる Echo Arena というゲームで遊んでみました。

Echo Arena

無重力空間で物につかまったりスラスターを噴射したりして移動し、円盤を奪い合うゲームです。無意識に重力で軌道が下がることを予想して高めに投げてしまうからでしょう、狙いを上に外してしまうことが多いのは興味深く感じました。

ところが、しばらく遊んでいると気分が悪くなってきました。VR酔いです。

Oculus のストアで配布されているアプリはVR酔いの起こりやすさが原則として Comfortable、Moderate、Intense の3段階で表示されています。Echo Arena は Moderate であり、そこまで過激ではないのですがやはり最初にプレイするゲームとしては不向きだったのかもしれません。

次に Air Car というこちらも無料のデモアプリをやってみました。

Air Car

小雨に煙る未来都市の空中をエアカーで走り回ることができます。酔いやすさは現時点で Not Rated ですが、Comfortable 相当と言って良いでしょう。特にゲーム性はないものの、映画「ブレードランナー」の中に入り込んだような気分に浸ることが出来ます。よく見ると「飯店」だの「ラーメン」だのといったネオンサインが見つかることから、作り手も明らかに狙っていることが分かります。

もう一つ、ゲームではありませんが Oculus 謹製の Virtual Desktop というアプリを試しました。価格は1390円でした。宇宙の、あるいは大自然の中にぽっかり浮いた巨大な曲面スクリーン、ホームシアター、本格的な映画館など様々な場所にデスクトップを表示できます。特に動画を全画面で再生し、場所を映画館に設定するとなかなかの臨場感です。ただ、うちの環境では音声に若干のラグがありました。Oculusヘッドフォンをミュートして、PC側から音を出すことで一応対処できましたが、できればアップデートで直って欲しいところです。

どんなときにVR酔いが起きるか

いろいろ試してみて気づいたのは、周囲を見回す動作をしても、言い換えれば注視点(look-at point)を動かしても(十分フレームレートが出ていれば)酔いは起きないということです。起きるとすれば look-from point が移動したときです。一人称視点で激しい動きをすると覿面に酔います。

より正確に言えば、平衡及び加速度に関して視覚に入ってくる情報と実際とが異なるときにVR酔いが起きます。

体質による違いもあるでしょうしある程度は慣れていくのでしょうが、通常の3Dゲームでは全く酔わない私も少し気分が悪くなることがあった(それも Moderate のゲームで)ことは報告しておきたいと思います。


ちなみにこのOculus Rift、購入価格は5万円でした。わずかなアプリを試しただけなので価格に見合う価値があるかどうかはまだ分かりませんが、大いなる可能性を感じたことは確かです。セットアップ終了後に周囲がSFっぽい部屋になったときには「あれ、俺の部屋ってこんなだったっけ?」と思ったほどです。まさに仮想現実ですね。

ただ、若干の不満もあります。アプリによっては音声にラグがあったり、表示に乱れがあったりしました。ハードウェア的にも解像度はやや物足りず、ヘッドセットの重さや圧迫感はさほどではありませんが、さりとて「全く気にならない」とは言いがたいものがあります。

まだ発展途上の製品だけに、もっと人柱が必要なようです(笑) 皆さんも買われてみてはいかがでしょうか。

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