1.民主を牽制する党が必要
とある掲示板で「二大政党制はアングロサクソンの妄想に過ぎず、ついこの間までの自民党のようなゆるやかな一党支配が実はもっとも望ましい政体である」と説く人を見掛けました。
一理ある考え方です。しかし、現実には一党支配は終わり、政権交代が起きました。二大政党制であれ、多党制であれ、国民は今後も政権を交代させていくだろうし、また、そうあるべきです。自民の一党支配は許さないけど民主の一党支配は許す、というのでは辻褄が合いません。
つまり、次は民主以外に投票するのが筋、ということです。
もっとも、政権交代させるためには総選挙(衆議院選挙)を待たなければなりません。菅首相は短気な人らしいですから、突き上げを食って「えーい、解散!」となってくれれば良いのですが、まずは次の参院選で民主党を勝たせすぎないことが大切です。牽制者となる有力な政党が存在すれば、仮に民主党が第一党であっても好き勝手には出来ず、それは国民にとって利益となります。
その牽制の役割を担うことを自ら任じ、また期待されているのが「みんなの党」です。
2.自民ではない
牽制者というだけならば、党勢衰えたとは言え、もっとも有力なのは自民党でしょう。谷垣さんは少し頼りないですが、自民には小泉進次郎のような面白い若手もいます。
ただし、いちいち挙げませんが、自民にはかなり問題のある政治家が何人かいます。何しろ、55年体制が始まって以来の政界の「膿」が溜まっているのですから。
もっとも、その膿の中でも一番酷い塊だったのが小沢一郎なのですが。
選挙のためならどんなことでもするという最悪の伝統を受け継ぐ小沢一郎が抜けた今の自民党は、力は失ったものの、その意味ではかなりマシな党になっています。
ともあれ、自民アレルギーで、金輪際投票用紙に自民党と書きたくない、という人は「みんなの党」に投票すると良いでしょう。
3.「子ども手当」は亡国政策
最悪なのは、民主党政権が固定化することです。そして、その固定化のために彼らが打った布石が、子ども手当や高校無償化など、国民の目の前にニンジンをぶら下げる政策です。
たしかに、子ども手当を貰えると助かるという人は多いでしょう。
しかしながら、出稼ぎの外国人の、それも海外に住む子供に対してまで支給するというのは常軌を逸しています。
「みんなの党」は、子ども手当に反対しています。
4.左翼でも宗教でもない
自民党政権時代、野党と言えば左翼でした。
社民党の前身の社会党は「北朝鮮による『拉致』は警察による捏造」などと言っていたような党です。共産党はコミンテルン日本支部として始まりました。
他にといって、公明党は変な宗教だし、保守党だのなんだのは自民党のエピゴーネンに過ぎません。
まさに、碌な野党がないので仕方なく自民に投票する、という状況でした。
しかし、今は違います。
「自民はイヤだし、左翼も宗教も嫌いだし、仕方がないから民主に投票する」必要はありません。
そういう場合は「みんなの党」に投票しましょう。
5.外国人参政権に反対
民主主義の究極的な形を夢想することが許されるならば、広く外国人に対しても参政権を認める、ということも考えられなくはありません。
しかし、現在の日本は、否、人類は、そこまで進化していないのです。
「いや、○○の国では外国人にも選挙権を認めてるよ」と言う人もいるでしょう。
断言しますが、それはあくまでその国に忠誠を誓った人に対して参政権が与えられているのです。
翻って、我が国は「国家に忠誠」を求めることがタブーになっている希有な国です。そして、現在、外国人参政権を強く求めているのはいわゆる特別永住外国人です。彼らは日本に忠誠を誓うのが嫌だからこそ帰化を拒んできたのです。
また、韓国では一部で外国人参政権が導入されていることがよく語られますが、これは、「公安委員会が認めた外国人に限る」という極めて欺瞞的なものです。実際にはほとんど認められていません。
「韓国も外国人に参政権を与えたのだから、日本も与えよ」というのは、詭弁であるだけでなく、悪質な内政干渉です。
尚、現在議論されているのは国政ではなく地方参政権ですが、だから外国人に与えても良い、ということにはなりません。地方選挙も国政に重大な影響を与えるからです。
「みんなの党」は外国人参政権に反対しています。
6.二股膏薬ではない
自民から離脱した政治家の作った新党はいくつかあります。が、どうも信用ならないところが多く、とりわけ疑わしいのが、舛添要一の「新党改革」です。
桝添曰く「菅さんが『一緒に政界再編をやろう』と言うなら、あらゆる可能性を模索する」とのことですが、この民主への露骨な擦り寄りは、民主を支持するしないとは別の次元で、人間として軽蔑せざるを得ません。
実は「みんなの党」の渡辺代表も自民から離脱した一人なのですが、彼が離党したのは2009年の1月、民主党が政権を獲るずっと前です。
後になって泥舟に乗っていたことに気づいて逃げ出し、しかも、民主党に擦り寄りつつある桝添と、どちらが信用できるかは明白でしょう。
「みんなの党」は民主党との連携を否定しています。
7.政権を獲る可能性はない
皮肉なことに、「みんなの党」が政権を獲る可能性は全くないことが、この党へ投票すべき最大の理由となります。
ここまでずいぶん「みんなの党」を持ち上げてきましたが、私自身、この党を全面的に信用しているわけではありません。逃げを打つように見えるかも知れませんが、少し違います。
実際、もし、「みんなの党」が政権を獲ったならば、どんな政策が行われるやら分かったものではありません。期待はずれは民主以上だった、ということにもなりかねません。
しかし、そんな心配は無用です。「みんなの党」が政権を獲る可能性はゼロです。
大切なのは、民主党の思い通りにならない勢力が一定の議席を占めることです。
©Miya: CC BY-SA
そのような勢力は、自ずと民主党を監視する役割を果たします。つまり、民主党の政策のおかしなところ、ダメなところを鵜の目鷹の目で探し出し、批判するわけです。それで良いのです。
監視者を欠くならば、どんな清廉な為政者も堕落は避けられません。ましてや、民主党は腐敗の代名詞のような小沢一郎が牛耳っている党なのです。菅代表は小沢と距離を置く姿勢を取っているとされますが、それも選挙をにらんだポーズに過ぎない可能性が高いのです。
民主党を支持しない人はもちろんのこと、ある程度支持する人も、子ども手当の野放図な支給が続けられ、外国人参政権によって日本が蚕食されるのを望まないのであれば、今度の参院選ではどうか賢い選択をしてください。