落ちたものを自分で拾おうとせぬ長妻大臣

毎日新聞の記事の中で長妻昭厚生労働相に関する次のような文章が目にとまりました。

(前略)
もっとも、長妻氏の官僚へのこわもてぶりに変わりはない。大臣室に局長らを集めた際、机の書類が床に落ちたことがあった。「上に立つ大臣は取っちゃいけない。君たちが拾わなきゃいけないんだよ」。長妻氏はそう告げた後、自分で拾いはしたものの、「本当は私とあなた方はそういう関係です」とみなにクギを刺した。

私は以前、仕事でパキスタンに半年ほど居たことがあるのですが、そこでの強烈な記憶がよみがえりました。上の記事とそっくりな話です。

(日本人の)同僚Aが机の書類を床に落とし、現地の技術者B(ボーイではない)に拾うように言ったのです。Bは、ついっと部屋を出て行き、別の男Cを連れてきて、Cにそれを拾わせました。

実に不自然な光景でした。

そもそも自分で拾わなかったAが悪いのです。力関係のあるところには、かならずこのようなつまらない威張り方をする人間があらわれるものです。
落ちたものを拾えと言われたBはプライドが傷ついたのでしょう、自分より身分の低い(インドのカーストとは違うが似たような制度か)者を連れてきて、心理的な平衡を保とうとしたわけです。

話は日本に戻ります。

公務員は国民に奉仕するものであって、個人に奉仕するものではありません。官僚が政治家に従わなければならないのは公務に於いてのみです。私的なことをさせる「召使い」ではないのです。(そう言えば、自民党には官僚になくした指輪を探させていた奴も居ましたね。今はちゃっかり民主党に鞍替えしていますが)

上の発言を見る限り、長妻はこの点を完全に履き違えています。

政治主導は大いに結構ですが、政治家と官僚を全人的服従関係として理解している長妻には、(大臣はもとより)政治家としての資質が備わっているか疑わしい、と言わなければなりません。

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