国東半島

ここに書くのが遅くなりましたが、先週の日曜に国東半島へツーリングに行ってきました。14人のグループです。

まずは中津城に寄りました。やはりというか、大河ドラマの黒田勘兵衛ゆかりの城ということで旗や幟が立っていました。お城の写真はありふれているので、隣の中津神社の写真です。

中津神社

国東半島をぐるっと回って山の方に入ります。

山寺

途中で見かけた名も知らぬ山寺です。風情があります。

その後、英彦山のあたりを通って安心院(あじむ)のワインセラーに寄りました。もっとも、飲むわけにもいかないので、お土産を買っただけです。

かなり険しい山道が多く、他の人は大型バイクだし腕も良いのでついていくのが大変でした。ただ、どうも地理に疎いもので、どの辺を通ったのか正確には分かっていません。

帰り着いてから、「野峠はどうだった?」と聞かれて「えっと、どの辺が野峠だったかよく分かりません!」と答えてみんなに笑われました。

まあ、でも、そのくらいの方がかわいげがあって良いんじゃないでしょうか(笑)

老武士の「おもてなし」

さほど有名ではない事実を誰でも知っているかのように扱ってしまうのは私の悪い癖です。先日、大興善寺を建立したのは能の「鉢木」で有名な佐野源左衛門、と書きましたが、多くの方が「鉢木(はちのき)」も佐野源左衛門もご存じないでしょう。

鉢木のあらすじは次のようなものです。

ある雪の夜、片田舎で貧しい暮らしをしている老武士、佐野源左衛門のところに旅の僧が訪れ、一宿一飯を求めます。

源左衛門は薪すらも事欠いていたのですが、大切な鉢植えの木を火にくべて僧をもてなします。

そして、このように貧乏をしてはいるが、一旦緩急あらば鎌倉に馳せ参じるつもりだと語ります。

その後、実際に事が起こり、源左衛門が鎌倉に駆けつけると、何とあの時の僧は執権北条時頼だったのです。

時頼は言葉通り馳せ参じた源左衛門に恩賞として広大な領地を与えたのでした。

この話はあくまで伝説であって、史実とは異なります。常識で考えても執権は諸国を行脚して回るほど暇ではないでしょう。

しかし、鉢木は我々に二つのことを教えてくれます。

一つ。真の「もてなし」には鉢木の精神が必要、ということ。「おもてなし」が一時流行語のようになっていましたが、観光収入を当て込んだ上滑りな「おもてなし」には鉢木のような暖かみがありません。

観光収入を得るなと言っているのではありません。大いに得て結構。ただ、例えば高級ホテルがいかに快適であったとしても人は容易には感動しません。それだけのお金を払っているわけですから。一方、友達がタダで泊めてくれたら感動します。そういうものです。

もう一つ。こちらの方がより重要ですが、言ったことを守るというごく単純な、しかし、忘れられがちな徳目です。

いざ鎌倉となったとき、父が危篤だからとか子供が病気だからと言って結局馳せ参じない人がよくいます。それどころか、親や子供をほったらかして戦場に赴くのは人としていかがなものかなどと、まるで馳せ参じなかった自分が正しいかのような理屈をこねる人さえいます。

もちろん、いざ鎌倉より家族を大切にという生き方もあるでしょう。それなら「馳せ参じる所存」などと言わなければ良いのです。言ったからには守らねばなりません。

武士に二言はないのです。

大興善寺に詣でながら、そのようなことを考えました。

Google Map のナビはそこそこ使えるが……

バイクにスマホ・ホルダーを取り付けて、マップルナビやGoogle Mapのナビを使っています。音声はBluetoothでヘルメットに仕込んだインカムに飛ばしています。

マップルナビはオフラインで使えるのは良いのですが、やはり細かい作り込みや性能はGoogleにはかないませんね。スクロールの滑らかさといい、音声指示(およそ400m先を右折です、みたいな)のタイミングといい、ことごとくGoogleの方が上です。

そういうわけで、最近ではGoogleをメインに、もし電波が届かない場所でルート変更の必要に迫られた場合はマップルナビという風に使い分けるようにしています。

特にGoogle Mapは絶えずアップデートされており、たいていの場合完璧な案内をします。が、若干しっくりとこない部分がなきにしもあらず。

例えば、

Google Map・ナビ

殆ど分岐とは言えないような場所で「100m先、分岐を右方向です」と案内します。上の地図では道が2つに分かれているように見えますが、実際には限りなく「直進」に近く、左側は車では通れないほど小さな道です。

ナビが急に右方向などと言い出すので、道を間違えたのかと暫し悩みました。

もっとも、敢えて小さな道の方に入っていくのが正解の場合もあるので、分岐を右とか左という風に案内すること自体に異存はないのですが。

他にも、自動車専用道路のど真ん中で「次を左折」と言い出したこともあります。ちょうど工事が終わったばかりの区間だったので、古い地図をもとにナビしていたのでしょう。

まあ、このように多少の欠陥はあるものの概ね実用範囲内です。一時は専用ナビの導入も考えたのですが、スマホで十分なようです。

大興善寺

小倉市街の外れ、鷲峰山の麓にある大興善寺に行ってきました。今は小さなお寺ですが、能の「鉢木」で有名な佐野源左衛門が建立した名刹です。鎌倉時代には50余の堂宇があり、豊前一の規模だったと言います。

大興善寺・山門

山門。寛永12年の建立です。

大興善寺・山門

別の角度から。これは二階で、一階部分に仁王像が配されています。

大興善寺・仁王像

大興善寺・仁王像

手元の書籍「福岡歴史散歩(福岡県歴史教育者協議会編)」に、この二体の像は鎌倉時代のものとありますが、現地の説明板には南北朝時代とあります。恐らく後者が正しいのでしょう。

大興善寺・山門

大興善寺・釈迦堂

この釈迦堂も見事ですね。こちらは元禄3年の建立と言われています。

お寺の隣には幼稚園が併設され、子供の歓声が響いていました。

大興善寺・猫

EeePCをSSDに換装

ZBOX を買ったのは、実は EeePC というネットブックが壊れたからでした。再起動しようとするとOSに必要なファイルが存在しない(/var/* is not exist…)というメッセージが出て止まってしまいます。Reboot and Select proper Boot device or … ならまだ救いがありますが、OSの起動が途中で止まってしまうのはHDDが壊れたことを示しています。

よく聞いてみると音もおかしいですし。カッコン……カッコン……と。

そういうわけでZBOXを買ったのですが、冷静に考えてみれば壊れたHDDを交換すれば良いだけの話でした。サブマシンもそう何台もいらないとは思いつつ、気がつけば作業を始めていました。

EeePC

裏面のネジを2本外すだけで簡単にHDD及びメモリを交換できます。早速近所のショップでSSD(2.5インチ,120GB)とメモリ(DDR2, 2GB)を買ってきて換装です。メモリの交換は特に必要ありませんが、まあ、ついでなので。

EeePC, BIOS

ちゃんと認識されているようです。

OS は今回も Ubuntu 13 にしました。CPUが遅いので多少もっさりしますが、Linuxの学習用と割り切れば問題ありません。

それにしても、ノート型はディスプレイとキーボード、それにタッチパッドまで一体になっているので便利ですね。

これがデスクトップだと特にディスプレイの確保が面倒です。古いディスプレイを引っ張り出したりKVMスイッチを用意したりと手間がかかるし場所も取ります。

その点、ノートPCは単体で完全に機能するので、今回のような古いマシンもまだまだ利用価値はありますね。

有線LANが不安定

ロジテック製Wifi ルータLAN-HGW450/Sを導入してから10ヶ月ほどになります。使用感はあまり芳しくありません。

このルータ、電波の飛びやスループットなどカタログスペックは高いのですが、接続の安定性がいまいちです。しばしばWindowsの通知領域で「使用可能な接続はありません」となってしまうほか、稀にルータの設定画面にアクセスできなくなってしまうこともあります。

Wifi が高性能であることを謳っている点から推測するに、有線での使用はあまり想定していないのでしょう。実際、殆どの家庭では、ルータに有線で繋ぐのはPC一台のみ、あとはタブレットやノートPCをWifiで使うというのが普通です。

ところが我が家は普通ではなく、Windows機一台、Mac一台、NAS一台が有線で繋がっており、それぞれかなり頻繁に通信しています。

恐らく、NATテーブルが溢れているのが不具合の原因です。

生憎、ロジテックではNATテーブルの数も保持時間も設定不可能かつ非公開で、保持時間を短くしてみるといった定番の解決法も使えません。

ただ、上に書いたとおり「有線での使用はあまり想定していない」ということは、逆に言えば無線の方にリソースを振り向けているということです。NATテーブルも有線と無線とで別になっているようですので、試しにMacを無線で繋いでみました。

今のところ安定しています。

たぶん、これがメーカーの想定している使い方なのでしょう。

ZOTAC ZBOXをディスプレイを繋がずに使う

先日、ZBOXという省スペースデスクトップPCを買いました。

驚いたのは、Amazon.co.jp で買ったときは19,000円だったものが、1日後には27,500円に急騰したことです。これは私が特別ラッキーだったわけではなく、在庫がだぶついていると値段が下がり、売れると値段が上がるアルゴリズムなのだそうです。

Amazon.co.jpの値段は日々変動するとは聞いていましたが、これほど極端だとは知りませんでした。

ディスプレイを繋がないとOSが起動しない

で、ZBOXですが、サーバとして稼働させようとすると一つ問題になるのが、ディスプレイを繋いでないとOSが起動しないという現象です。ビープ音が5回鳴って止まってしまいます。

Award BIOS なら Halt On No Errors などとすることで回避できるのですが、ZBOXではAMI(American Megatrends Inc)BIOS が使われていて、しかも簡易版らしく項目は限られています。

結論から言うと、”Features” の”Primary Display”を”Auto”から”IGFX”に変更することでディスプレイを繋がなくても起動するようになりました。

ZBOX, BIOS

デフォルトの”Auto” だとディスプレイを探そうとして見つからず、エラーとなるようです。IGFX、つまりオンボードグラフィックに固定すると上手くいきます。

尚、キーボードとマウスに関しては、特に設定しなくても、繋いでない状態で普通に起動できます。

このZBOX、静かで消費電力も少なく、かなり気に入りました。型落ちとはいえ、CPU は記憶に新しい Sandy Bridge です。Ubuntu を動かすには十分なパワーと言えます。

Panoramio に参加してみた

Panoramio というサービスがあります。要は写真をアップロードし、公開するものですが、風景写真に特化していることと、 Google Map に表示されるところに特徴があります。

試しに何枚か写真をアップロードしてみたところ、1日から2日で Google Map に反映されました。スタッフが実際に見て反映するかどうか決めているようです。

panoramio

ちなみに、私が使っているDSC-RX100や70DはGPS機能がないので、写真を撮った場所は手動で入力する必要があります。

アップロード後に地図をクリックして撮った場所を入力するのですが、記憶に頼っているので正確さに欠けるかもしれません。

一種のアルバムとしても使えます。いちいちアップロードするのは面倒ではありますが、写真を選んで撮影場所を入力して……といった作業が旅の思い出をよみがえらせるのです。

しばらく続けてみようかと思います。

ラヴォアジエの非業の死に学べ

先日、「Yahoo! 公金支払い」は「徴税請負」ではないけれど……というようなことを書きました。これについてもう少し敷衍して述べてみたいと思います。

徴税請負とは「私人の計算において徴税を請け負わせること」を言います。

よく誤解している人がいますが、「私人」には企業も含まれます。私人というのは公人と対置する概念で、自然人であるか法人であるかは問われません。株式会社や有限会社は全て私人です。もちろん、Yahoo! も私人です。

次に、「計算において」ですが、これも法律学及びその周辺の学問では良く使われる言葉で、行為の経済的効果がその者に帰属するという意味です。

「Yahoo! 公金支払い」では、私達が払ったお金は一旦Yahoo!の利益になるのではなく、そのまま自治体へと送られます。言い換えれば、Yahoo! の「計算において」ではありません。この点が、「Yahoo! 公金支払い」は「徴税請負」ではないとされる所以です。Yahoo! はあくまで手数料を取っているだけです。

前回も書きましたが歴史上の徴税請負制度は弊害が大きく、「手数料」として法外な金額を取られるのが常でした。

そのため徴税請負人はしばしば怨嗟の的となり、有名なところでは質量保存の法則を発見したアントワーヌ・ラヴォアジエもフランス革命の際にギロチンにかけられました。弁護士はラヴォアジエの化学上の功績を挙げて減刑を乞いましたが、裁判官は「共和国に化学者は不要である( La République n’a pas besoin de savants ni de chimistes. )」と言い放ち、死刑を宣告したと言います。

それほど徴税請負人は憎まれていたということですね。

Yahoo! に話を戻すと、私はそこまで「手数料」に憤慨しているわけではありません。そもそも、複数ある支払い方法の一つに過ぎませんしね。

しかし、21世紀も十と有余年を過ぎた現在に至っても、殆どの自治体に自前のオンライン税収納システムがなく、ネットで払いたければ Yahoo! を通じてしか方法がない、というのも情けない話です。

こういうのこそ国が音頭を取って、システムだけでも作れば良いと思うんですけどね。実際に運用するかどうかは各自治体に決めさせるとして。

徴税の手間も減るし、納税者としても払いやすくなって良いことずくめです。地方の税収が増えれば国としても交付金を節約できます。