誰しも目の前の札束には抗いがたい

札束猪瀬直樹氏の辞任に伴う東京都知事選が行われます。

去年は忙しくて書きそびれていましたが、氏が問題の渦中にあるときにはあまりの集中砲火の凄さに、つい気の毒に思ってしまったりもしたものです。判官贔屓と言いますか。

だいたい、「賄賂を受け取った」みたいな印象で報道されていましたが、借りた金を政治資金収支報告書に記載していなかったという政治資金規正法違反の疑いに過ぎません。しかも、同法は会計責任者を罰する法律であって、猪瀬氏自身が罪に問われることはないはずです。

もちろん、会計責任者が猪瀬氏の意向を無視して勝手に記載しなかった、ということは考えにくく、結局のところボスである猪瀬氏には道義的責任があるとは言えるでしょう。

でも、考えてもみて下さい。いやがる相手から無理やり金を巻き上げたんじゃないんです。向こうから頼むから貰って下さいと言って持ってきた金なのです。私なら迷わず貰います(笑)

通常の感覚からすると、やってはいけないこと(≒犯罪)とは、相手のいやがることですよね。ところが、この場合、相手の希望通りに金を受け取ったことが罪に問われているわけです。

この点が、(広義の)収賄が罪の意識を伴いにくい原因です。

繰り返しますが、だから金を受け取ってもしかたがないというわけではありません。一見被害者は誰もいないようですが、実は「政治的な公正」が失われているからです。

猪瀬氏も頭では分かっていたのでしょうが、目の前の札束に抗いきれなかった時点で、都知事としては失格でした。

エコカーはどのくらいお得か

ガソリン

中学生向けの数学の問題です。燃費は良いけど値の張る車と、悪いけど安い車、どっちがお得なのでしょう。

問い

自動車Aはガソリン1Lあたり24km走ることができる。自動車Bはガソリン1Lあたり15km走ることができる。ガソリンの価格は1Lあたり150円とする。Aの価格は300万円Bの価格は200万円である。Bの価格とガソリン代の和が、同じ距離を走ったAのそれを超えるのは、何km走った時か。

答え

つぎの連立方程式を解くと、

連立方程式

χ = 266666.66…

グラフ

従って、自動車Bの購入価格とガソリン代の和が自動車Aのそれを上回るのは、

約266,667km 走った時。

つまり、リッター24キロのガソリン車(たぶん、ハイブリッド車)なら、たとえ300万円払っても、約26万6千キロ以上走れば、リッター15キロしか走らないけど200万円のガソリン車よりお得です。

お父さんに教えてあげましょう。

火斑ができてしまった

ちょっとグロいのでお見せできませんが、脛に火斑(ひだこ)ができてしまいました。それも、去年というか一昨年の冬からある一年物です。

火斑というのは火に長時間当たっているとできる斑点のことです。

折からの原油高騰とそれに伴う電気代の値上げに対抗するために、足下に反射式の電気ストーブを置いていた結果、こうなってしまいました。「エアコンで部屋全体を暖めるなど愚の骨頂!」とばかりに意気揚々と部分暖房を導入したのですが、思わぬ落とし穴でした。

ただ、私のようにやり方を誤らなければ、足下だけを暖めるのは良い節電になるはずです。

なまはげ

なまはげ
(c) Douglas P Perkins

そこで思い出したのが秋田県の男鹿半島に伝わる「なまはげ」です。聞けば、なまはげは、長時間囲炉裏に当たっている怠け者の火斑を刃物で剥ぐという意味合いがあるそうです。

今は大晦日に行われますが、昔は小正月の行事でした。奇しくも今日は小正月。私の火斑もはぎ取って欲しいものです。

痒いのです……。

淡きこと水の如し

NHKの大河ドラマで「軍師勘兵衛」をやっています。黒田勘兵衛は九州にはゆかりの深い人物です。

黒田勘兵衛彼は晩年、出家して「如水」と号しました。文字通り水の如く柔軟でありたいという意味でしょう。出典ははっきりしませんが「孫子」ではないかと言われています。

恐らく黒田如水の出典とは異なりますが、有名な言葉に「君子の交わりは淡きこと水の如し」というのがありますね。こちらは「荘子(そうじ)・山木篇」です。

小人に限って、ぐずぐず、べたべたと付き合うものです。やれ忘年会だ、新年会だと言っては三次会、四次会まで行ったりですね。

我々のような君子は、サラッと淡泊にいきたいものです。いえ、飲み会に誘われないから僻んでるわけじゃありませんよ。

人生は良き戦いであり、肉体はその基礎である

ここ数日、せっかくの連休だというのに好きな古墳巡りもせず、家の中でぐずぐずしていました。というのも、尾籠な話で恐縮ですが、便秘気味だったのです。

便秘だからといって痛くも痒くも無いわけで、別段活動を鈍らせる理由は無いはずですが、人間、少しの体調の変化が精神にまで影響を与えるという良い例ですね。

健康を害すと精神までも弱る

Star of lifeかのマックス・ウェーバーは、人生を「良き戦い(Guten Kampf)」と捉えていたと言います。彼にとっての「戦い」は学問でした。しかし、34歳のころ、神経を病み、臥せりがちとなります。「戦い」の基礎となる肉体の不調は、彼ほどの強靱な精神の持ち主をしてさえ数年の静養を余儀なくさせたのでした。

まして、私ごときの精神力ではわずかな肉体の変調にも影響を受けてしまいます。

体調が万全の時には「うぉぉぉ、俺はなんでもできるぜ!」と意欲に満ちていたものが、ちょっと調子を崩すと「ダメだ、なんにもできない……」となってしまうんですね。

って、便秘くらいでちょっと極端でしょうか。

厄介なことに、「健康」も水や空気や安全と同じく、失って初めて大切さに気づくんですよね。

とりあえず、ヨーグルトを買ってこようと思います。

ホンダ・ヴェゼルはどうだろう

一昨年の暮れにニッサン・ティーダを買ったばかりなので、さすがに今買い換えるわけにはいきませんが、ホンダ・ヴェゼルが気になっています。トランスミッションが DCT というのが魅力です。

ホンダ・ヴェゼル

ダイレクト感

去年レンタカーでトヨタ・アクアに乗る機会があったのですが、CVT の無感覚さにいささか失望しました。アクセルを踏み込んだときのダイレクト感は MT > DCT > トルコンAT > CVT と言われています。

本当はMTに乗りたいけど、高級車はともかく、最近の普通の車ではその選択肢がありません。いわゆるエコカーはCVTばかりです。

それが、ここにきてDCT(デュアルクラッチトランスミッション)の車がぼちぼち出てきました。

DCT には奇数段、偶数段の二系統の変速軸があります。例えば加速中は今接続中の系統の一段上のギアを噛み合わせて待っているわけですが、コンピューターの予想に反して急に減速すると下の段に接続し直すのでガクンとショックが起きます。運転の下手な人がMTで急にシフトダウンしたのと似た状態です。

このショックを嫌うか、それともCVTのあのぬるぬるした感覚を嫌うかは人それぞれでしょうが、私はどちらかというと後者、ぬるぬる感の方が気になります。

ホンダのイメージ

ホンダ車としては以前にプレリュードに乗っていたことがあります。4WSで小回りが利く楽しい車でした。ただ、クーペなのにFFという、ある意味ちぐはぐな車で、「なんちゃってスポーツカー」とも言われていました。

ヴェゼルにしても、スポーティーな外観、パワートレインはi-VTEC(+ハイブリッド)、トランスミッションはDCTという割には、後輪のサスペンションはトーションビームであったりと、やはりちぐはぐ感は拭えません。

カーマニアをうならせる車ではなく、とりあえず素人受けの良い車を作るのはホンダの伝統なのかもしれません。一言で言うとミーハーですね。

あと、不良っぽいセンス。N-BOX なんか車好きには受け入れがたいデザインですが、ヤンキーの皆さんには大人気ですからね。

面白いことに、二輪の世界では、ホンダはえてして「優等生すぎてつまらない」というイメージで語られるので、まったくの逆です。

足して2で割ったらちょうど良いのかも。

IE で Fancybox が効かない現象

Fancybox テストFancybox とは、写真をクリックすると、にゅっと拡大してポップアップされるアレのことです。試しに右の写真をクリックしてみて下さい。

いくつかの種類があるようですが、私が使っているのは WordPress 用のプラグインです。

これが IE で効かない現象が起きていたので、行った対策をメモしておきます。

  • WordPress が読み込む jQuery が 1.8 以上だと IE でエラー
  • 1.7.1 でもエラーになるので、1.7.2 を使う

具体的には、header.php に以下の行を付け加えます。

header.php

<?php
//WordPress自体の読み込みをキャンセル
wp_deregister_script( 'jquery' );
//バージョンの指定
wp_enqueue_script('jquery','http://ajax.googleapis.com/ajax/libs/jquery/1.7.2/jquery.min.js');
?>

参考:ysakaki.com – WordPressでjQueryで指定したバージョンを使う

IEを使わない人も確認だけはしておいた方が良い

IE8、IE9、IE10 で試しましたがいずれも動きませんでした。普段 IE を使わないもので、つい見過ごしていました。Fancybox を導入した時点では確かに IE でも動いていましたので、WordPress のバージョンアップによって jQuery のバージョンが上がったことが原因と思われます。

むしろ、IE を常用しない人の方が要チェックかもしれません。シェアを減らしたとは言え、未だ IE が最大派閥であることには変わりありませんから。

複数のバージョンで確認するには IETester を使うと便利です。

データは多すぎ、人生は短すぎる

十数年前、インターネットが普及し始めた頃の話です。テレビで、捕まった性犯罪者が数万枚のわいせつ画像を所持していたと報道しているのを聞いて、父が「とんだ変態も居たものだな」と呆れかえっていました。実家にいて一緒に見ていた私は「別に変態というほどでも……」と言いかけて、すぐにやめたのを覚えています。

と言うのも、私も何万とはいかないまでもPCの中にかなりの数のエロ画像を持っていたからです。若かったですし。

ハードディスクたぶん、物理的な写真、エロ本のたぐいなら何千、何万枚も集めるバカはまずいないはずです(たまにいるけど)。隠す場所がないですからね。しかし、PCのハードディスクの中ではどれだけ集めても容積は変わらないので、スペースの欠如は歯止めにはなりません。仮に数台の外付けハードディスクをつないでも、紙に比べれば占領する場所は僅かです。

それどころか、オンラインストレージを使えば必要なスペースはまさしくゼロです。しかも、あなたの家が火事になっても大切なエロ画像は守られます(笑)

ただ、3歳か4歳だかの自分の子供の写真をオンラインストレージに入れておいたら、児童ポルノと見なされてアカウントを消されてしまったという話もあります。このような「企業による検閲」の問題はまた別の機会に語ろうかと思います。

データストレージのコスト

テクノロジーの進歩によってデータストレージのコストが恐るべき速さで低廉化しています。行きがかり上エロ画像で話を進めますが、画像なんて今となっては軽いコンテンツで、圧縮されていれば通常数百キロバイト、多くとも1メガバイト程度です。

残りの人生を長めに見積もってあと60年生きるとしても、365 * 60 = 21,900 (日)

頑張って毎日100枚、60年間欠かさず見ても2.2テラバイト。外付けハードディスク一台に入ります。値段にして一万円以下です。

ましてや、文字データともなるとさらに軽いので、膨大な量を保存できます。あなたのPCのハードディスク容量を仮に1テラバイトとすると、約5,000億文字、岩波新書にして7億9,000万ページ分のデータが入ります。

これを先ほどの人生の残り日数で割ってみると、790,000,000 / 21,900 = 36,073.059(ページ)

一日約36,000ページ。新書100冊分以上読まなくてはなりません。60年間、毎日。つまり、不可能ということです。

データはいくらでも保存できるが人生は限られている

ありきたりな記事だと、ここで「情報の洪水に飲み込まれぬよう、取捨選択していかなければならない」といった結論で終わるところですが、私は必ずしもそうは思いません。

情報の洪水に翻弄されるのも悪くはないではありませんか。データは、ため込めるだけため込めば良いのです。どうせコストは下がり続けているのだから。

それに、コンテンツの飽和は今に始まったことではありません。ちょっとした都市の図書館なら蔵書が100万冊はあります。21,900日で割ると45冊強。テクノロジーの進歩以前に、全部の本や映画や音楽を読み尽くし、見尽くし、聞き尽くすのはどだい無理なのです。

だから、玉も石もまぜこぜにため込んで、目についたものだけを拾い上げるしかありません。

むしろ、必要なのは残りの人生は思ったより短いという認識の方です。