人間、魔が差すということがある

テレビや新聞は、相も変わらず物騒な事件を報じています。皆さんは、別世界のことのように感じるでしょうか、それとも、自分にも起こりうるとお思いでしょうか。

誰しも、「犯罪者」というと自分とは全く違う人種と考えがちです。しかし、その犯罪者も最初に何かやらかして「犯罪者」になってしまうまでは真人間だったのだし、本人も自分は犯罪者ではないと思っていたはずです。

かく言う私も、まだ何もやらかしていないので自分では真人間だと思っています。人並みに正義感もあるつもりです。犯罪報道を聞いて「何と怪しからん!」と憤ることもしばしばです。

ですが、人間、「魔が差す」ということがあります。

これからの人生で、怒りのあまり人を突き飛ばすということが無いとは断言できません。そうすれば立派な暴行罪です。相手が怪我をすれば傷害罪、打ち所が悪くて死んでしまえば殺人罪です。

企業家は商法違反や不正競争防止法違反のリスクがありますし、公務員ならば、収賄の誘惑があることでしょう。

パトカー
(c) MASA CC BY-SA 3.0

万引きの誘惑

そこまで大それた罪でなくても、やらかしそうなことは他にもあります。

世間で多いのは万引きですね。これは食うに困ってやむにやまれずやるよりも、経済的に全く必要ないにもかかわらずやってしまうケースが多いそうです。いわゆる盗癖というやつです。私は金に困ってはいないし、今までの人生で万引きの誘惑に駆られたこともないので、これに関しては大丈夫でしょう。

ただ、将来もし一文無しになってしまえば、貧すれば鈍すでどうなるか分かりません。

怖いのは交通犯罪

一番危ないのは、やはり交通犯罪です。

早い話、車で人を轢いてしまった場合です。たとえ不可抗力に近い状況でも、加害者の「過失」が擬制され、業務上過失致死傷に問われるのが普通です。

酒を飲んでいたり、自賠責が切れて(自賠責が切れていると任意の加入期間が残っていても保険が下りない)いたりすると目も当てられません。特に飲酒運転で人身事故を起こした場合は実刑になるし、多額の賠償を請求されるしで人生が終わってしまいます。

運転するときは一歩間違えば奈落、と肝に銘じておかなければなりません。

私が過去に犯した罪

最初に自分は真人間だと書きましたが、では、今までの人生で本当に何一つ罪を犯していないのか、ちょっと考えてみました。ただしスピード違反などは「犯罪」ではないのでノーカウントです。

一つありました。

若い頃、同僚のタバコを一本、無断で拝借したことがあります。

無断はまずいですよね、無断は……。タバコを一本黙って貰う行為は、立派に窃盗罪の構成要件に該当します。ただ、あまりに軽微(当時は一本10円もしなかった)なので可罰性がないという理屈で、結局お咎め無しとされる場合が多いようです。つまり、そのレベルまで摘発していては警察・検察・裁判所などがパンクしてしまうので、ということです。

余談ですが、昔、蜂須賀侯爵が皇居に参内した折、控えの間で目の前に(誰かが置き忘れた)タバコがあったので一本拝借したそうです。そこへ明治天皇が通りかかり、「蜂須賀、血は争えんな」と仰ったのだとか。蜂須賀家の祖、蜂須賀小六は盗賊だったという伝説にからめた冗談に、侯爵は恐縮することしきりだったそうです。

タバコのみって、吸いたくなるとどうしようもなくなるんですよね。でも、それは言い訳ですね。

ちなみに、ここ10年ほどは禁煙を続けているのでタバコの誘惑もありません。しかし、私の心の中にある「このくらい良いだろう」という気持ちをそのままにしておいては、また似たようなことをやるかもしれません。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

*