をとめらが はなりの髪を 木綿(ゆふ)の山 雲なたなびき 家のあたり見む
万葉集に収められている作者不詳の歌です。はなりとはおさげのこと。「ゆふ」には、髪を結うという意味の他に由布という地名(一説には結婚するという意味も)が詠み込まれています。
大分県の志高湖のほとりにこの歌を刻んだ碑があると聞き、行ってみました。
途中、景色の良い道が続きます。右奥に見えるのが由布岳です。
志高湖の場所は標識等ですぐに分かりました。白鳥がいますね。ただ、この近くにあるはずの万葉歌碑がどうにも見つかりません。
周囲をうろついていると、
何の変哲もない雑木林のようなところですが、中央左上に赤い布が下げられているのが分かりますでしょうか。
拡大したのがこれです。かなり分かりにくいですね。もしやこれが目印ではないかと思い山道に分け入ってみると、案の定しばらく行った先に同じような赤布がぶら下がっています。そのようにして15分ほど歩いた先に歌碑はありました。昭和9年に建立された森本治吉博士揮毫の碑が、比較的新しい長方形の碑の上に乗っている形です。
背後には鶴見岳、眼下には志高湖を見ることができる場所です。見つけるのに苦労しただけに景色も一層素晴らしく感じました。目印の布は地元のライオンズクラブが付けてくれているもののようです。
熊本地震の影響で湯布院も観光客が減っているとのことですが、景色も空気も良いところなのでぜひ一度訪れてみてください。温泉もあります。