リズム感をよくする方法

rhythm.jpg リズム感というと、何か一種神懸かり的な能力という捉え方をする人が多くいます。また、「日本人はリズム感が悪い」などともよく言われます。これらはすべて誤解で、リズム感とは単純至極、規則的な「拍」を感じる能力なのです。
ただ、日本の伝統的な「拍」と西洋音楽の「拍」とは意味が全く異なるので、その限りにおいては「日本人はリズム感が悪い」という傾向はあるのかも知れません。どういうことかと言いますと、日本の「拍」はその時々の「間」によって変化する、言わば不定時制なのですね。一方西洋音楽では一拍の時間的長さは原則として常に一定です。この単純明快さが日本人にとっては却って分かりにくい。

とにかく、単純に考えるのが秘訣です。4分の4拍子ならば1小節に4分音符を4回打つ、休符や8分音符、付点4分音符などがしばしば現れますが惑わされずに1小節に4つの「拍」を常に感じるようにする。それだけです。
日常生活でも、規則的な動きを発見したらリズムを取ってみる。例えば車のワイパー。ワイパーの一往復を1拍としてリズムをとってみる。ワイパーが上がる(ウラ拍)のを意識するのがコツです。アウフタクトの曲はもちろんのこと、カントリーブルースの曲は全般にウラ拍から始まる音が驚くほど多いものです。そこを拍のアタマでとってしまうから訳が分からなくなってしまうのですね。

上記の日常訓練、オススメです。ただし、ワイパーを注視するのは助手席のときに限ります。自分で運転しているときにやってたらシャレになりませんよね!(笑

ヘンなクセがあるんです

皆様はフィンガーピッキングのときピックガードに指をつけますでしょうか?
クラシックギターではもちろん、いわゆるフォークギターでもつけないのが正しいとされているようです。が、私はつけます。小指だけでなく薬指まで軽くピックガードにのせるようにしています。カントリーブルースでは右手の薬指をあまり使わないために、右手が安定するこの方法が適しているのではないかと考えています。

他にも、ローコードの F はバレーではなくグリップハンドで押さえますし、E は3弦の1フレットを人差し指で、5弦の2フレットと4弦の2フレットを中指の小バレーで押さえます(この方が薬指が自由になって便利)。どうやら私は標準とはかなり異なる弾き方をしているようです。

正統派の音楽では「変なクセをつけると後で苦労する」と言って厳しく矯正されますが、自分で楽しむための音楽ならば、こういった我流の奏法もある程度許されると思っています。 いえ、むしろ「独特の弾き方でカッコイイ」と自画自賛しています(笑
まぁ、独特と書きましたがピックガードに指をつけるのはフィンガーピッカーの間で広く行われていることで、特に珍しいことではありません。ただ、クラシック畑の人から「指つけちゃダメだよ」と時々突っ込まれるので、今日はそういう奏法もあるのだと主張してみました。

たまにはピアノも

keyboard.jpg よく「英語の早期教育などやっても日本語も英語も中途半端になるだけだ。国語教育に注力せよ」という意見を耳にします。一理あります。でも、私は、むしろ日本語を重視すればこそ早いうちに外国語を学ばせるべきだと考えます。他言語に触れることによって日本語の理解がより深まるのではないかと思うのです。
というわけで、今日はギタリストも他の楽器をやってみてはどうか、という話です。ちょっと脈絡が変でしょうか(笑)
言われなくてもやってるよ~という方も多いかと思いますが、ギター一本槍で来た方は「いまさら他の楽器もなぁ」と少し億劫に感じられるかも知れません。が、騙されたと思ってやってみてください。必ずや世界が広がってギタープレイにもフィードバックされること請け合いです。

どの楽器をやるかですが、やはりピアノないしその他の鍵盤楽器が無難かと思います。撥弦楽器じゃ代わり映えがしませんし、大人になって擦弦楽器を始めるのもかなりキビしそうですしね。
ただ、ピアノというものは取っつきやすい反面、なかなか上達しないんですよね。聞くところによると、10歳未満で始めなければピアノをマスターするのは不可能だそうです。けれど、何も演奏家になるわけではないのですから、20歳過ぎようと還暦過ぎようと、自分で楽しめればそれでいいのではないでしょうか。

さて、私の場合ですが、主に左手でコードを押さえる練習をしてます。ピアノ曲には凝った対位法なども多いのですが、そこに分け入っていくと大変なので。分散和音についても漫然と音符を追うのではなく、できるだけコードを意識して弾くことで、それぞれの響きを覚えるようにしています。
難しいのは、鍵を押すタイミングだけでなく、上げるタイミングにも最大限神経を使わないといけないことですね。ギターでは余程響きを損なわない限り、あまり厳密にミュートしたりせず次の小節でも前の音が鳴ってたりしますが、ピアノではその辺が全く違います。とにかく他の楽器をやってみると色々と新しい発見がありますので、読者の方々にも是非お薦め致します!

ところでここ数日、張り切りすぎて毎日更新してきましたが、少々疲れてきました(汗 今後はもう少し間隔を開けようかと思いますが、できれば三日に一度、長くても一週間に一度くらいの更新頻度は保っていくつもりです。よろしくお願いします。

Google の顔色(がんしょく)を見ずして多言を為すべからず

先日、読まれる文章を書く三つのポイントの第一として「気になるタイトルをつける」ということを挙げましたが、ことインターネット上では全く異なるアプローチが必要になるのかも知れません。
どういうことかと言いますと、抽象的な、あるいは比喩的な表現は、検索エンジンに適切にインデックスされないのですね。

例えば、ギターを恋人に喩えて何か一筆ものしたとします。検索エンジンには両者の相関が分からないので、その文章は「恋人」に関連づけられるでしょう。そして、それは「恋人」で検索してきた人にとってはおそらく有益な文章ではないはずです。むしろ、「ギター」で検索されたい。そうであるならば最初から凝った比喩など使わず愚直に「ギター」と表現すればよかった、となるわけです。

実際、検索エンジンを意識するあまりヒネリもなにもないタイトル(もちろん本文も)ばかりになってしまう、という現象は最近の職業文筆家の頭痛の種となっているようです。

ですから、随筆的な文章では「気になるタイトル」、実用的な文章では「素直なタイトル」が良いのでしょう。考えてみると、当たり前のことですね~
それにしても、当ブログ、雑記ばかりで肝心のカントリーブルースについてあまり書いていませんね(汗
うーむ……。

追記:
本エントリも最初は「検索エンジンのことも考えないと」というひどく退屈なタイトルでしたが、変えてみました。

さらに追記:
しかし、「気になるタイトル」もほどほどにしないといけませんね。本エントリも一見辛口社会派コラムっぽいタイトルのくせにヌルい内容ですみません(滝汗
ただ、検索エンジンのために自分の文章スタイルを曲げなければいけない、というのは困ったことですね。もしかすると、Google の存在が今後日本語のあり方にさえ影響を与えていくのかも知れません。おそるべしっ。

読まれる文章を書く三つのポイント

1. 気になるタイトルをつける

本稿のタイトルがまさにそれですね。私自身、「○○の秘訣」や「××されるための7つの条件」、「発展する△△とダメになる△△」といった、気になるタイトルを見かけるとついクリックしてしまうものです。
言葉は悪いですが、リンクベイティングというやつです。ただ、この手法は一歩間違えると読者の反感を買ってしまいがち(本稿もですが……(汗))なので注意が必要です。「○○の秘訣」で釣ろうというのなら、ともかくも本文にその秘訣らしきものを提示するのが最低限の誠意でしょう。

2. 誤字脱字をなくす

単なるタイプミスなどは知性とは(おそらく)無関係なのですが、やはり誤字があると多少バカっぽく見えてしまうのは事実です。とかく人というものは自分に甘く他人に厳しいもので、自分の誤字は気にしない癖に他人の誤字は非常に気にするのです。私などその最たるもので、他所のサイトで誤字を発見するやいなや読むのをやめてしまいます。

3. 疑問を発する

1. に通じるのですが、ごく最近始めた当ブログのなんて読むの?という記事の(更新通知サービスを通じた)アクセスが妙に多いことから気がつきました。このようなタイトルだと、読者の方は「一体、何が読めないんだ?」と引っかかりをもたれるようです。そして、「そんなのも読めないのか」あるいは「あー、それは読めないよね」といった反応をしたくなるのでしょう。
この手法にも十分注意が必要です。疑問文とは婉曲なる命令文に他ならず、「なんて読むの?」と問いかけることは「なんて読むのか教えろ」と言うに等しいからです。一般に、人は他人から命令されることを好まないので、疑問を発しまくると確実に嫌われます。

以上が私の考える三つのポイントです。ただ、きちんとした内容、すなわち読者の求める情報を提供するのが最も肝要であることは言うまでもありません。

羮に懲りて膾を吹く?

別のところでも書いたのですが、最近 target=”_blank”で別窓を開くことへの風当たりが厳しいですね。
この問題、どういうわけかユーザーの視点を置いてけぼりにして語られることが多いように思われます。

別窓反対派の主張は大きく分けて二つ、一つは、「W3C が非推奨だと言っているのだから非推奨なのだ」という形式論。もう一つは、「ユーザーは同窓で開くか別窓で開くかを自由に選べるべきであるが、target=”_blank” を指定してあると選択の余地が無く全て別窓で開かれてしまう」という実質論。

前者について。W3C が target 属性を非推奨にしたのはポップアップ広告の流行に対応する為ではなかったかと思うのですね。言わば、「羮(=ポップアップ地獄)に懲りて膾(普通の別窓)を吹く」ようなものではないかと。イヤな広告はユーザーによる淘汰によって無くしていけばよいので、target 属性を廃止してそもそも別窓を開けなくするというのはあまり良い解決策とは言えません。(もっとも、target=”_blank”を使わずに別ウィンドウで開く方法もいくつかあるようです)
次に、後者(実質論)には一理あると思うのですが、結局のところ別窓反対という結論ありきの議論で本当の意味でのユーザー視点になっていない。多くのユーザーには「他サイトは別窓で開くもの」という期待があるので、思いがけず他サイトが同窓で開かれると、そこも今まで開いていたサイトの一部と思ってしまう、あるいは戻れなくなってしまう(もちろんブラウザのバックボタンで戻ることはできますが、例えば A → B → C と移動した場合、一旦 C から A へ戻ると、経過点である B へ移動するには意識的に「進むボタン」を押さねばならず、端的に言って困難)、という現象が起きるわけです。

ただ、先進的なユーザーは既にほとんどがタブブラウザに移行し、「ホイールクリックで別タブに」というのが標準的な操作になりつつあるので、この場合は確かに target=”_blank” は要らぬお節介ということになってしまうのかも知れません。

結局、多数派に従うに如くはなし、ということでしょうか。
個人的には勝手に別窓(というか別タブ)が便利と思うんですけどね~

シンプル イズ ベスト

先日、Score Grapher Pro で作った楽譜を Photoshop に渡す方法を紹介しましたが、一つ書き忘れていたことがありました。

Web 用に加工する場合解像度を落とすことになると思いますが、その際 Photoshop デフォルトのバイキュービック法ではなく、バイリニア法でやるのがおすすめです。バイキュービック法の方が高度な補間法なのでしょうが、五線譜(もちろんタブ譜も)のように単純で色数も少ない画像の場合、バイリニア法のシンプルなアルゴリズムの方が好結果を生むようです。

そもそもラスタライズせずにベクトルデータのまま渡せればそれに越したことはないんですけどね。

あと余談ですが、Vista や .NET Framework 3.0 をインストールしてある XP では Microsoft XPS Document Writer も使えますね。ただ、こちらは .xps ファイルを読み込めるアプリケーションを持っていなかったので今回は使いませんでした(IE7 や XPS Viewer で表示することは可能だけど、画像としてエクスポートすることはできない)。面白いことに .xps ファイルは実は単なる zip 書庫で、解凍してみると中には xml と png 画像が入っていました。意外にもオープンな規格のようです。

文章は体力。ギターも体力。

皆様は毎日どのくらいの文章を書かれていますでしょうか。普通の生活をしていると、そんなに大量の文章を書くこともありませんよね。でも、世の中には日々驚くほど良質の文章を量産されている方もいらっしゃいます。私のお気に入りのブログなど毎日更新で、しかも、文章の量も質もすごい……。どうやったらあんなことができるのか。

もちろん才能に依る部分も多々ありましょうが、一つには「習慣」の力を借りるということがあると思います。ハムレットの一節に、「悪い習慣は人生を悪い方向に導き、良い習慣は人生を良い方向に導く」というのがあります。例えば喫煙。悪い習慣ですね。私も長いこと煙草吸っていたので分かるんですが、吸ってる本人はそんなに悪いことをしているつもりはないです。ただただ、習慣なのでやめられないんですね。逆に毎朝ジョギングをする、といった良い習慣を持っている人もいます。周囲から見ると「毎朝なんて大変だろうなぁ」という感じですが、本人にしてみれば習慣なので別に大変ではなかったりします。ことほど左様に、「良い習慣」を持つのは大切な事なんですよね。

文章も同じかと思います。毎日書いていれば、「慣れ」で結構書けるようになるんじゃないかな~、と。甘いでしょうか(笑)

それから、ギターの練習も毎日しないとね♪

なんて読むの?

ブルースのコード進行はたった三つのコードからなる非常にシンプルなものであるとよく言われます。実際はそうと決まったものでもないのですが、まぁ、最初はそう考えて差し支えないでしょう。
このコード進行というものを考える時に便利なのが I, IV, V という呼び方です。例えば key of E では I7 → E7, IV7 → A7, V7 → B7 ですよね。
とにかく、

I I I I IV IV
I I V IV I V

……と覚えておけば、どの調でも対応できるわけです。

以前見かけたジャズの理論書に、「日本では E とか A とか B などとコード名を呼称し、I, IV, V のように呼ぶことは少ないが、コード進行を理解する上では後者の方がのぞましい」というようなことが書いてありました。
確かに、私も以前バンドをやっていましたが、I, IV, V と呼ぶことは無かったように思います。なぜでしょう?

読み方がよく分からないからだと思います(笑)
おそらく「ワン・フォー・ファイブ」と読むのだと思いますが、あまりにも一般的な語彙なので、音楽用語という感じがしないためにかえって伝わりにくいんですよね。

Score Grapher Pro から PDF 経由で Photoshop に楽譜のイメージを持ち込む方法

Score Grapher Pro は楽譜を作成するには便利なソフトですが、印刷志向で、画像の出力ができないのが難点です。そこで、PDF 経由で Photoshop に持ち込み Web 用に加工することにしました。以下、その手順。(Windows の場合。もちろん、Acrobat がインストール済みなのが前提です)

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まず、Score Grapher の用紙設定から 「Adobe PDF」 を選びます。

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次に、Adobe PDF ドキュメントのプロパティから、「Adobe PDF 設定」タブを開き、PDF 設定の「編集」ボタンを押します。

そして、開いたダイアログの左ペインで「フォント」を選択し、「すべてのフォントを埋め込む」のチェックを外します。そうしないと、「フォント Natya4 はライセンスの制限により埋め込むことができません」というエラーが出て PDF が作成されません。
こうして、Adobe PDF ドキュメントの設定を変更した後、名前を付けて保存します。
以上で、Score Grapher の方で印刷を選ぶと PDF ファイルが出力されるようになります♪

あとは Photoshop なりなんなりで読み込んで煮るなり焼くなりするだけ、……なのですが、一つだけ注意点。Photoshop は、デフォルトでは 72dpi で読み込もうとします。上のようにして作った PDF は600dpi になっていますので、お好みの解像度で読み込んで下さい。