リズム感というと、何か一種神懸かり的な能力という捉え方をする人が多くいます。また、「日本人はリズム感が悪い」などともよく言われます。これらはすべて誤解で、リズム感とは単純至極、規則的な「拍」を感じる能力なのです。
ただ、日本の伝統的な「拍」と西洋音楽の「拍」とは意味が全く異なるので、その限りにおいては「日本人はリズム感が悪い」という傾向はあるのかも知れません。どういうことかと言いますと、日本の「拍」はその時々の「間」によって変化する、言わば不定時制なのですね。一方西洋音楽では一拍の時間的長さは原則として常に一定です。この単純明快さが日本人にとっては却って分かりにくい。
とにかく、単純に考えるのが秘訣です。4分の4拍子ならば1小節に4分音符を4回打つ、休符や8分音符、付点4分音符などがしばしば現れますが惑わされずに1小節に4つの「拍」を常に感じるようにする。それだけです。
日常生活でも、規則的な動きを発見したらリズムを取ってみる。例えば車のワイパー。ワイパーの一往復を1拍としてリズムをとってみる。ワイパーが上がる(ウラ拍)のを意識するのがコツです。アウフタクトの曲はもちろんのこと、カントリーブルースの曲は全般にウラ拍から始まる音が驚くほど多いものです。そこを拍のアタマでとってしまうから訳が分からなくなってしまうのですね。
上記の日常訓練、オススメです。ただし、ワイパーを注視するのは助手席のときに限ります。自分で運転しているときにやってたらシャレになりませんよね!(笑