別のところでも書いたのですが、最近 target=”_blank”で別窓を開くことへの風当たりが厳しいですね。
この問題、どういうわけかユーザーの視点を置いてけぼりにして語られることが多いように思われます。
別窓反対派の主張は大きく分けて二つ、一つは、「W3C が非推奨だと言っているのだから非推奨なのだ」という形式論。もう一つは、「ユーザーは同窓で開くか別窓で開くかを自由に選べるべきであるが、target=”_blank” を指定してあると選択の余地が無く全て別窓で開かれてしまう」という実質論。
前者について。W3C が target 属性を非推奨にしたのはポップアップ広告の流行に対応する為ではなかったかと思うのですね。言わば、「羮(=ポップアップ地獄)に懲りて膾(普通の別窓)を吹く」ようなものではないかと。イヤな広告はユーザーによる淘汰によって無くしていけばよいので、target 属性を廃止してそもそも別窓を開けなくするというのはあまり良い解決策とは言えません。(もっとも、target=”_blank”を使わずに別ウィンドウで開く方法もいくつかあるようです)
次に、後者(実質論)には一理あると思うのですが、結局のところ別窓反対という結論ありきの議論で本当の意味でのユーザー視点になっていない。多くのユーザーには「他サイトは別窓で開くもの」という期待があるので、思いがけず他サイトが同窓で開かれると、そこも今まで開いていたサイトの一部と思ってしまう、あるいは戻れなくなってしまう(もちろんブラウザのバックボタンで戻ることはできますが、例えば A → B → C と移動した場合、一旦 C から A へ戻ると、経過点である B へ移動するには意識的に「進むボタン」を押さねばならず、端的に言って困難)、という現象が起きるわけです。
ただ、先進的なユーザーは既にほとんどがタブブラウザに移行し、「ホイールクリックで別タブに」というのが標準的な操作になりつつあるので、この場合は確かに target=”_blank” は要らぬお節介ということになってしまうのかも知れません。
結局、多数派に従うに如くはなし、ということでしょうか。
個人的には勝手に別窓(というか別タブ)が便利と思うんですけどね~