人に嫌われることによって出世する方法

仙谷官房長官が嫌われまくっています。
テレビを見ていて、この人、誰かに似てるな……と思ったら、昔の上司でした。しかも、顔かたちだけじゃなくて「性格」が似ているんです。

ええ、ものすごくイヤな奴でした(笑)

なにしろ、盆暮れの付け届けが大好きで、送らなかったら催促する、というような男でした。私は基本大人しい(?)人間なのですが、一度へそを曲げるとテコでも動かないという頑固なところもあり、その催促が非常に不快だったので、意地でも送りませんでした。

そしたら、まぁ、陰険な嫌がらせの数々、ここに書くのもアホらしいので書きませんが、まだ若かった私は結構悩んだものです。しかも、そいつ、憎たらしいことに、妙に出世が早いんですよね。

当時は、「こんな人から嫌われるようなことをして、何の得があるんだろう?」と不思議だったのですが、最近になって、「ああ、あれはあの人の戦略だったんだな」と思うようになりました。

人に好かれようとするのではなく、敢えて嫌われるようなことをする。それによって、自分に逆らう奴をいぶり出すことができるわけです。そして、まんまといぶり出されたのが私です(笑)

周りの者を押さえつけ、敵対者は叩きつぶし、のし上がっていく、そういう戦略です。

この恐怖政治の方法論を忠実に実行しているのが、仙谷ではないかと思います。
例の尖閣ビデオ問題にしてもそうですね。従来の常識からすれば当然公開されていたものを敢えて非公開にし、逆らう人間が出てくるのを待っていたのです。

そして、案の定、YouTubeで問題のビデオを公開する人が現れるやいなや、「情報流出」であると断じ、公務員の統制を強化する動きを始めました。

共産党の志位書記長が喝破した通り、「情報流出」は傍論にすぎず、本来論ずべきは、非公開とした政府の判断が正しかったか、であるにもかかわらず、です。

世間では、民主党政権が尖閣ビデオを非公開としたのは中国の顔を立てるためだったというのがもっぱらの声ですが、私はこのような引き締めの意図が大きいのでは、と想像しています。

いずれにしろ、怪しからん話ではあります。

まぁ、しかし、この仙谷式処世術(?)、非常にイヤな感じですが、権力争いに於いてはかなり有効な手段ですよね。日本人の多くは、こういうテクニックにあまりに疎いために、損ばかりしている印象があります。

やられっぱなしではかないません。私も仙谷らを見習って、これからは、嫌われまくりながら出世してみようかと思います。ふひひ。

大人物とは何か

一見愚なる者が、実は賢であることが多々あります。

トマス・アクィナス

中世最大のスコラ学者と言われるトマス・アクィナスは沈思黙考する性質で、若い頃、仲間の神学生たちから「黙り牛」と綽名されていたそうです。
雄弁を重んじる西洋では無口は白痴と同義、「黙り牛」とは、かなり侮った呼び方です。

しかし、ある教授はアクィナスの器を見抜き、「やがて、この雄牛の咆哮が欧州を震撼させるであろう」と語ったと言われます。
而してアクィナスは後に『神学大全』を著し、まさしく、キリスト教世界に巨大な足跡を残しました。

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©Forum concoursvaches.fr: CC BY-SA

小渕恵三

聖アクィナスとは畑も世界史的な知名度もずいぶん違いますが、私が敬服する人物の一人に、故小渕恵三元首相がいます。

彼は、当時から反日的だったニューヨークタイムズに、「冷めたピザのような男」と評されましたが、「冷めたピザもおいしい」と切り返したのには感心したものです。

また、小渕さんは昭和12年の丑年生まれで、正確な表現は失念しましたが、「俺は丑年だから、歩みはのろいが着実に前進するんだ」という趣旨の発言をしています。

「黙り牛」を彷彿とさせる話です。

彼は凡人だったかも知れませんが、昭和から平成へと世の中が変わる時期に、内閣官房長官、首相を歴任し、確実に歴史に名を刻みました。彼が首相に在任中、景気も一度は上向きかけたのです。道半ばにして病に倒れたことが悔やまれます。

ちなみに、私も丑年です。歳は聞かないでください(笑

大山巌

日露戦争の奉天会戦は、史上希に見る大会戦でした。
日本側の司令官、大山大将が、前線を視察したときのことです。

ある砲兵士官が、顔に青筋を立てて矢継ぎ早に命令を下していました。大山大将は彼を呼び、
大砲(おおづつ)というものは、上に向けるほど遠くへ飛ぶのでごわすかな?
と、問うたそうです。
あまりの悠長さに、砲兵士官はさぞ面食らったことでしょう。しかし、それこそが大将の狙いだったのです。極度の緊張によって前線の指揮官たちの視野が狭まっていると感じ、敢えて間抜けな質問をすることで、我に返らせようとしたわけです。

大山大将が、日露戦争の勝利、ひいてはその後の日本の発展に与って力があったことは言うまでもありません。

今の日本は

このような大人物がなかなか現れず、秀才型ばかりが幅を利かせているのが、今の日本の不幸です。

鳩山前首相の小物ぶりを思い出してください。彼はあれでもスタンフォード大の博士なんです。
あるいは、現在の官房長官である仙谷由人。彼も東大在学中に司法試験に合格した秀才中の秀才です。

確かに頭は良いのかも知れない。しかし、彼らの言動を見ていると首をかしげたくなることばかりです。

「秘書のやったことにして責任逃れをするなど以ての外」と言っていた鳩山は、自身の金にまつわる疑惑を、臆面もなく秘書のせいにしました。

仙谷に至っては、オフレコながら「日本の属国化は今に始まったものではない」とまで言い放ったことが暴露されました。どうやらこの男の頭の中では日本は既に中国の属国のようです。

大山大将は、若い頃から切れ者だったそうですが、年を取ってからは切れ味を抑えることに努め、茫洋たる人格を自ら育てたと言われます。
あまり切れすぎるのは良くない、人間が小さくなる、という考え方は、薩摩の士人に共通するものでした。ですから、愚直なまでに質実な性格を良しとしたのです。

これこそ、今の日本に必要な思想ではないかと思います。

確かに、英雄待望論に堕してしまう危険はあります。
しかし、歴史の節目にはやはり、器の大きな人物がどうしても必要なことも事実です。

鳩山や仙谷では明らかに不足です。

Type de Twitter

Twitterを利用したタイピングゲームを作りました。

target=”_blank”>Type de Twitter

日本語の処理はいろいろと大変そうだったので、英語専用です。英語だと世界中の人にプレイしてもらえる(かもしれない)という利点もあります。

まずサインインしてから、”Challenge!”ボタンを押すと、ハイランカーを自動的にフォローして、ゲームが始まります。
ハイスコアを出せば、多くの人からフォローしてもらえる仕組みです。

具体的には、1位の人は常にフォローされ、2位は1/2の確率で、3位は1/3……という風にフォローされます。ランキングは上位20位まで記録されるので、平均して
fig.png
人フォローすることになります。
2度目以降(ボタンが”Challenge!”でなく”Try again!”になっているとき)は、フォローしません。
もちろん、後からリムーブするのは自由ですが、たいていの人はそのままにしておくので、おそらく、上位の人は相当なフォロワー増加となるだろうと思います。
英語の勉強にもなるかも。

ひとつ腕だめしにやってみてください!

【パッチ】Windows7でマウスホイールの効きが悪い場合

先日取り上げた、Windows7で一部のMS製マウスのホイールの効きが悪くなってしまう問題ですが、手っ取り早く直したいという方は次のプログラムをダウンロードして、実行してみてください。
もしこれで状況が改善するならば、スタートアップに入れるなどして毎回実行すると良いでしょう。

ダウンロード:fix_wheel.exe (411 KB)

これは、以下のAHKスクリプトを配布用にコンパイルしたものです。

#MaxHotkeysPerInterval 200
WheelDown::WheelDown
WheelUp::WheelUp

return

Windows7 でマウスホイールの効きが悪い場合

Windows7を使い始めて思ったのが、マウスホイールの効きが悪いことがある、ということです。スクロールが遅かったり、なにか引っかかるようだったり。

私の使っているマウスはMSのWireless Optical Mouse 5000で、調べてみると、どうやらこの機種を含めてMS製マウスのいくつかで同様の不具合が発生しています。

原因は、MS製のドライバ(IntelliPoint)がデルタの下限を120から引き下げたことのようです。この変更に対応していないソフトで、ホイールの効きが悪かったり、あるいは全く反応しなかったりするわけです。

いずれ、ドライバかソフトの側で対応されると思いますが、それまでの繋ぎとして、以下のような処置を施しました。

AutoHotKey スクリプト

GroupAdd, MousewheelHandler, ahk_class SomeClass ;ここにクラスを追加
GroupAdd, MousewheelHandler, ahk_class AnotherClass ;クラスはWindow Spyで調べる
#IfWinActive ahk_group MousewheelHandler
{
    #MaxHotkeysPerInterval 200
    WheelDown::WheelDown
    WheelUp::WheelUp
}
return

要するに、AutoHotKeyを通すことで、ホイールを動かしたときの命令を従来型に戻し、古いアプリにも理解できるようにしています。
これで、XPと同じ感じでスクロールするようになりました。
SomeClass等は、実際不具合が起きているソフトのクラス名を調べて書き換えてください。

CapsLockでIMEの切り替え

もう一つ、以前にも書きましたが、私は CapsLock キーで IME を切り替えています。
Mac環境ではKeyRemap4MacBookを、WinではMayuを使っていましたが、MayuはWindows7には未対応とのことで、この機会にこれもAutoHotKeyで書いてみました。二つもキーリマップユーティリティーを常駐させるのもなんですからね。

CapsLock::Send {Alt down}``{Alt up}
return

簡単そのものです。ただ、CapsLock を Alt + ` と入れ替えていることからおわかりの通り、これは英語キーボードの場合です。日本語キーボードだと、CapsLockの刻印のあるキーを押下しても、実際には「英数」という日本語環境独自のキーコードが送られ、実際にCapsLockするためにはShiftキーを押しながらでなければいけない、という事情がありますので、結構手こずるかも知れません。
尚、`(バッククォート)はAutoHotKeyでは特別なエスケープ文字なので、上のように二重にしなければなりません。

癖のある文法

AutoHotKey、非常に強力なのですが、噂通り文法には癖がありますね。
例えば、つい、

if condition {
    expression
}

のように書いてしまいがちですが、AutoHotKeyではこれは文法エラーなのだそうで、

if condition
{
    expression
}

と書かなければいけません。

関連記事:
【パッチ】Windows7でマウスホイールの効きが悪い場合

Unlocker がアンチウィルスソフトにブロックされる件

最近新しいPCを組んだので、ぼちぼちと環境構築中です。OS は Windows7 Professional (64bit)ですが、たいていのソフトは対応済み、もしくはなにもしなくてもそのまま使えるみたいですね。

ところが! 一つ些細ながらも気になったのが、UnlockerAVGでブロックされてしまうことです。

Unlockerは、あるファイルがロックされていて削除やリネームができないときに、ロックしているプロセスを見つけ出し、終了させたりロック解除させたりできるユーティリティーです。
なかなか便利なソフトですし、64bit版も存在するので、先ほどインストールしようとしたのですが、AVGがスパイウェアであるとして警告を出してきました。
調べてみると、一緒にインストールされるeBayのツールバーが一部アンチウィルスベンダにスパイウェアとして認識されているようです。
しかし、インストーラーではツールバーが一緒にインストールされることを明示していますし、チェックボックスを外してインストールしないこともできるのに、問答無用でUnlockerごとスパイウェア扱いというのは少し乱暴な気がします。
この件については、作者の方のブログにも記述があります。

いちユーザーとしては、スパイウェアの判定が厳格であることは頼もしくもありますが、このUnlockerに関しては誤検出とは言わないまでも、過剰反応であることは間違いありません。
そこで、とりあえず今回はAVGを一時的に無効にし、eBayのツールバー及びアップデートチェックを外してからインストールしました。

私はUnlocker自体には問題はないことをほぼ確信していますが、もし、同じようにアンチウィルスソフトを一時停止してインストールしてみようかという方がいらっしゃったら、自己責任にて行ってください。

それにしても、このような優秀なソフトが(優秀だからこそeBayツールバーの食指が伸びたとも言える)、アンチウィルスベンダの胸先三寸でスパイウェアとしてレッテルを貼られ、葬り去られていくのは残念なことです。

なんたらツールバーをインストールしようとする、うざったいアプリは他にもたくさんあります。まぁこのUnlockerもその一つと言えばその通りですが、スパイウェアとそうでないものとの線引きはどの辺でなされるのでしょうね。

さくらインターネットのレンタルサーバでは、PHP の magic_quotes_gpc が On

表題の通りです。

それ以外にも、データベースの文字コードがデフォルトで EUC-JP だったり、先日も書いた通り PHP が CGI モードで動いていたりと、意外と癖がありますね~

さくらのレンタルサーバのPHPはCGIモード

さくらのレンタルサーバを使おうと思っているのですが、いくつか今まで借りたことのあるサーバと違う点があってハマってしまいました。

1. .php 以外の拡張子で php を使うには

これは非公式FAQに詳しく説明されています。私の環境では、usr/local/bin/php が見つからず、勘で php_cgi_wrapper を php.cgi にリネームして、www/ にコピーし、パーミッションを704に設定してから、.htaccess に

AddHandler myphp-script .html
Action myphp-script /php.cgi

と記述すると、うまくいきました。
この設定を行うと、コントロールパネルの、php.ini の設定が効かなくなってしまいますが、www/ に php.ini を手動で配置すれば良いだけなので、むしろ分かりやすいかも知れません。

2. getallheaders()は使えない

If-Modified-Since を取得するために getallheaders() を使っていたのですが、この関数は php が Apache モジュールとして動作しているときにのみ利用可能で、逆に言えば、CGIモードでは使えません。
対処法はPHPの公式マニュアルに載っていました。

function emu_getallheaders() {
	foreach($_SERVER as $h=>$v){
		if(ereg('HTTP_(.+)',$h,$hp))
			$headers[$hp[1]]=$v;
	}
	return $headers;
}

 

今日、法治国家日本の生命が潰えた

那覇地検は、尖閣列島沖で違法操業を行っていた中国人船長を処分保留で釈放することを決めたそうです。

自分にとって、これほどまでに愕然としたのは近年稀なことです。

中国を非難したいわけではありません。無法で野蛮な国家は他にもいくらでもあります。
問題なのは地検の対応です。もし、この件が中国の圧力に屈した「超法規的措置」であるならば、今日この日、2010年9月24日をもって、日本は法治国家であることをやめたということです。
仮に、今後も「日本」という国家が存続することができたとしても、それは昨日までの日本とは別の国です。

法治国家としての伝統

大津事件をご存じでしょうか。
明治24年、日本を訪れたロシアの皇太子ニコライが、津田三蔵という頭のおかしな男に刺されて大けがをした事件です。
素人考えでは、そんな大それた事をしたのですから、津田は死刑になったのだろうと思うところですが、実際には無期徒刑、現在の無期懲役にあたる刑となりました。なぜならば、謀殺未遂(殺人未遂)は最高でも無期徒刑であり、法に従うならば死刑はあり得ないからです。
もっとも、当時は傷害罪(及び殺人罪)の特別罪として、「大逆罪」があり、これを適用するならば死刑もありうる、とする考え方もありました。
しかし、大逆罪はあくまで、日本の皇族に危害を加えた者に対して問われる罪であって、外国の皇族であるニコライ皇太子に危害を加えた津田に対して適用することはできなかったのです。
もちろん、「外国の皇族も日本の皇族と同じようなものではないか」という人も当時から居ました。
しかしながら、そのような拡大解釈は刑法に於いては決して認められないのです。これを刑法の謙抑性といいます。

法を曲げず、司法権の独立を示した大津事件は、結果的に日本が法治国家であることを世界に知らしめ、日本の国際的地位を大いに向上させました。

また、西成線列車脱線火災事故は、昭和15年に起きた日本史上最悪の列車事故ですが、我が国が軍国主義にひた走った、と世間一般でいわれる時期に行われたこの事件の裁判もまた、法治国家としての伝統に則った内容でした。
死者189名、重軽傷者69名を出したこの事故は、駅員による分岐器の操作ミスが原因でしたが、この未曾有の大惨事にもかかわらず、駅員らは禁固2年という比較的軽い刑となったのです。
この量刑が妥当かどうかの議論は別として、当時から、どれほど社会を震撼させる大事件であろうとも、あくまで法に従って冷静に対処する、という法治主義がしっかりと根付いていたことが覗えます。

伝統が失われた

かたや、今回の中国人船長に対する処置はなんたるていたらくでしょうか。
無論、重い刑を科すべきだったというわけではありません。法に照らして、釈放が相当ならば釈放すること自体は構いません。
しかし、「日中関係を考慮した」という那覇地検のコメントが事実であるとするならば、きわめて由々しき問題です。

選挙で選ばれた政治家がアホな外交をやって国際関係がまずくなれば、それは選んだ国民の責任かも知れません。しかし、検察官は選挙で選ばれたわけでもなんでもないのです。「日中関係を考慮」などと余計な色気を出すのは言語道断です。

これは、深刻な問題です。

政治がお粗末だとよく言われますが、今の政府がダメなら選挙で良さそうな党を選べばよいわけです。その結果、民主党といういかにもダメそうな党が選ばれているのは皮肉ですが、それも結局は国民の選択の結果として受け入れなければならないことです。

ですが、法治主義の伝統は、選挙では得ることが出来ず、また、一度失われたらそう簡単には取り戻せません。
「選挙で何々党が勝ったら、また法治主義に戻る」という問題ではないのです。法治主義の伝統を守るには、法曹関係者はもちろん、我々国民全体が、高い教養と強い意志を持ち続けなければなりません。

中国人船長はしかるべき罪に問われるべきでした。

繰り返しますが、罪を重くしろとか軽くしろと言っているわけではありません。中国の高圧的な態度がどうのとかいう感情論もこの際余計なことです。それを何とかするのは政治家の仕事であって法曹の仕事ではありません。

大事なのは「しかるべく」あることです。
「しかるべく」とは法によって規定された通りに、ということです。