不正乗車ってそんなにいけないこと?

25歳の会社員がmixiで不正乗車の体験を綴って問題となっているそうです。ただ、不正乗車といっても、記事を良く見るとこの会社員の行為は所謂100円旅行であって、極めて軽微な犯罪です。
100円旅行とは何かというと、最寄りの駅までの切符を買い、ぐるーっと遠回りをして最後に出発地の隣の駅へと戻ってくることを言います。(従って現在では100円以上かかります)
もちろん、不正は不正です。良くないことです。それをいけしゃあしゃあとmixiに書くとは本当に大馬鹿野郎です。

でも、ですね。そんなに大騒ぎするようなことなんでしょうか。100円旅行というのは、キセル行為や乗車券の偽造・変造に比べて経済的意味が殆どありません。なにしろ、途中で降りることはできず、常に最後は出発地の隣の駅で降りることになるのですから。無論、そいつのせいで電車が多少混むということはあり得なくはないですが、現実には空いている時間・路線を選ぶでしょうから実質的影響は極めて少ないはずです。

要するに暇人のイタズラの域を出ない行為なわけです。
以前問題になった、チューリップの茎を傘でちょん切った奴に似ていますね。あまり誉められた行為ではない。しかしながら、一々報道するようなことではないだろう、と言いたいのです。
無論、ブログやSNSで自分の犯罪を披露して炎上を招いてしまう人が後を絶たないのはなぜか、という問題意識を持つことは悪くはありません。が、上記の記事のように社会学的視点を欠いたまま「罪の意識はなかったようだ。」などと非難するだけに留まっていては無意味です。

もう随分前の事件ですが、バレーボールの全日本監督が海外遠征の際に2億円ほど携行したことが問題となったのを思い出します。新聞には「○○監督、2億円不正に持ち出し」という見出しが躍りました。不正に、というと横領か何かをしでかしたように見えますが、実は、外為法で一定以上の金額を海外に持ち出すときは届け出が必要だったのにそれを怠った、というだけの話でした。自分の金を持っていっただけなのです。形式的には違法行為に違いありませんが、わざわざ新聞が書き立てるようなことではなかったはずです。

どうもマスコミは、本当に報道すべきことは脇に置いて、このようにどうでも良いことばかり取り上げるような気がしてなりません。
人の年金を横領した社保庁の職員は放っておいてチューリップ荒らしだの100円旅行だのを厳しく指弾して社会の木鐸気取りとはいい気なものです。そんなことは余程世間が平和で書くことがないときに書けばよろしい。

最後に一つ謝罪を。釣りっぽいタイトルですみません!

「不正乗車ってそんなにいけないこと?」への2件のフィードバック

  1. 経済的意味はほとんど無いと仰いますが、元記事によるとJRの被害額は6万9540円に上るそうです。すくなくともその金額分は経済的に損失を与えているのではないでしょうか。
    別に犯罪擁護をされているのではないのは分かりますが、その点だけ気になったので。

  2. 石さん:
    うーむ、法的に被害が発生しているのは間違いないのですが、犯人が得た経済的利得に注目すると例えば山手線で寝過ごして一周してしまうのと同じことであって、ほとんど無意味な行為なんです。
    だから、これをマネするような暇な人は殆ど居ないだろうし、社会的影響も皆無に等しいだろう、という話なんですね。

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