国際テロのない世界を目指して

数日前に読売新聞社のサイトで「国際テロのない世界を目指して」というリンクを見かけました。いわゆる政府公報というやつです。

要するにインド洋における海上自衛隊の給油活動がいかに多国籍軍の役に立っているか、を宣伝する内容です。
でも、本当にそれでテロが無くなるのかな? と疑問を感じてしまいますよね。

「テロリスト」(と呼ばれる人達)を殺せば殺すほど、彼らの怨みは骨髄に達してテロは余計に深刻化する、と考えるのが普通ではないかと思います。

例が適切ではないかも知れませんが、かつての日中戦争に対する我々日本人と中国人との認識のズレと同じようなものを感じます。(日中戦争において)多数の一般市民が死傷したことは大変に申し訳ない、しかし、戦闘に於いて国民党軍や八路軍の兵士を殺害したことや、所謂便衣兵狩りついては、戦争だったのだから仕方がなかった、というのが私を含めて大方の日本人の考え方だと思います。しかし、中国側は決してそうは考えない。兵士だろうと便衣兵だろうと全て「日本軍に虐殺された犠牲者」である、と考えるはずです。

アメリカは「不朽の自由」以降一連の作戦によってテロリストを掃討してきた、と胸を張りますが、それは「テロリスト」の一族郎党にとっては、無道な虐殺に他なりません。「アメリカ軍に虐殺された犠牲者」なわけです。(もっとも、イスラム過激派は実は極少数で、大多数の穏健なムスリムからは決して支持されていないそうですが、それはまた別の話です)

さて、上のようなことを考えながら件の政府公報のビデオを見たわけですが、うーむ、なかなか巧く作られていて、途中から「うん、やっぱりインド洋での燃料補給は必要なんだな」と納得させられそうになります。特に若い自衛官たちの高いプロ意識、キビキビと、しかし黙々とした働きぶりは実に頼もしく、大変立派です。
が、しかし、やはりこの活動が国際テロを減らすのに役立っているというのは無理がある、という見方を覆すまでには至りませんでした。

ただ、私は、テロ根絶云々といった大義名分は大いに疑っているものの、基本的に自衛隊が海外で活動するのは良いことだと思っています。一部の左翼は自衛隊の海外派遣がかつての侵略戦争の二の舞への道を開く、などと主張しているようですが、全くのナンセンスです。
むしろ世界各国軍との協働の経験が国際感覚を磨き、世界の軍事的情勢を見極めるのに役立つ、と言えるのではないでしょうか。無論見極めた上で国の舵取りをするのは自衛隊ではなく政治家の役目ですが、国際感覚豊かな自衛官の存在がそのためのプリズムとなるのです。

 

細き雲見る間に流れ後の月

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