選挙カーの騒音は選挙への関心を妨げる

毎度ながら選挙への関心が薄い

第18回統一地方選挙の投票日(12日と26日、地方による)が近づいています。しかし、毎度のことながら市民の選挙への関心は希薄で、周囲でもあまり話題になっていません。

今回のような地方選のみならず、国政でも近年、投票率が低迷しています。投票率が低いことの原因としてよく言われるのが、「日本の政治がお粗末だから」ということです。確かに一部の政治家のふるまいは政治への失望を与えるに十分ですが、「だから投票に行く気が起きない」というのはおかしな話です。

お粗末な政治家が多いなら、なおのことまともな人を選ぼうとして、政治への関心がむしろ向上する可能性だってあります。

現状がそうなっていないのは、日本の官僚がある程度有能で、誰が議員であっても国家をうまく運営できてきたからでしょう。少なくとも、これまでのところは。

ですが、とりあえず大丈夫だから、と国民が政治に無関心で居続けると、将来、「これはいけない」と思ったときには手遅れ、ということになります。民主主義は制度であるとともに多分に文化であって、一朝一夕には成り立ちません。

民主主義の伝統を守り育てるためにも投票率を高く保つことは必要です。

選挙カーの騒音が、選挙=迷惑というイメージを作る

では、投票率が低迷するのはなぜなのか。私の考えるに選挙カーがうるさいのが最大の原因です。

「どうか〇〇をよろしくお願いいたします! 〇〇、〇〇、〇〇でございます!!」

……とヒステリックな声で候補者の名前を連呼するのが典型的なフォーマットです。これではその候補者がどういう考えを持っているか、どういった政策を行おうとしているのか、さっぱりわかりません。

単にうるさいだけです。

それどころか、「ああ、また選挙か。イヤだなあ」と、選挙制度へのネガティブなイメージだけが広がります。

これからの選挙運動はインターネットで

選挙には規制が数多くあり、選挙カーが名前を連呼するのも、法律で「走りながら演説をしてはいけない」と決められているからです。

また、戸別訪問は原則として禁止されています。「こっそりワイロを渡したりするかもしれない」からです。まあ、家に来られるのも選挙カーのうるささとは別のベクトルで迷惑なので、強いて解禁すべきとは思いませんが。

今後一番有望な選挙運動の方法は、やはりインターネットを用いたものでしょう。既に公選法が改正され、何人も「ウェブサイト等を利用する方法」による選挙運動ができるようになっています。

選挙期間中に限らず、これからの時代、政治活動の場は自ずと街頭からネットへと移っていくはずであり、またそうあるべきです。ネットを利用しない、あるいは利用できない人達の政治参加が阻害されるという批判もありますが、これだけネット利用のコストが下がった現在では、あまり心配する必要はないでしょう。

ともかく、あの、うるさい、選挙カーによる名前連呼だけは早く無くなって欲しいものです。

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