漢字読めない首相誕生のメカニズム

麻生首相の漢字の読み間違いをマスコミが囃し立てることしきりです。実際、他人の読み間違いは気になるものです。誰にでも間違いはあるとはいえ、踏襲を「ふしゅう」、未曾有を「みぞゆう」はちょっと酷い。一国の首相として云々という以前に、日本人の平均レベルにさえ達していない感じです。

何故「漢字読めない首相」が誕生してしまったのか。

彼は二世議員ですから、親の七光りもあったでしょう。名宰相吉田茂の血を引く家柄の良さ、オリンピック日本代表という華やかな経歴、そしてなにより運に恵まれてもいたことでしょう。
ですが、魑魅魍魎が跋扈する政界を泳ぎわたり、ついには首相として位人臣を極めたのですから、上のような恵まれた条件を差し引いて考えたとしても、彼の頭が悪いはずはありません。

結局、恵まれすぎていたことが漢字が読めない理由なのです。33歳で麻生セメントの社長となり、39歳で衆議院に初当選。普通の人なら上司に「こんな字も読めんのか」と叱責され、ぐっと唇をかみしめて耐えることを覚える(ついでに漢字も覚える)時期に、「さすが若社長!」、「さすが先生!」とヨイショされていたわけです。将来が約束された若き麻生太郎の覚えめでたからんと、誰も読み間違いを指摘しないので、間違えたまま過ごしてきたに違いありません。

論語・公冶長に君子は下問を恥じずとあります。
立派な人間は、知らないことがあれば、自分より地位の低い者に問うことも恥とはしない、ということです。

恐らく封建君主たちは麻生さんの比ではなくヨイショをされまくっていたのでしょう。疎んじられてはかなわないので、漢字の読み間違いなどを指摘する者もいません。もちろん、中には直言の士もいたことでしょうが、たいていの君主は間違いを指摘されることなく過ごしがちになる。封建制の宿命です。

要するに、普通にしていては絶対にダメ君主になってしまうので、特別な心構え、思考法が必要なのです。
甘言を用いる者を遠ざけ、謙虚に他人の指摘に耳を傾ける。
これらは現在においても、特に人の上に立とうとする人間には貴重な教えであると言えましょう。

麻生さんはちょっと手遅れかも知れませんが、もし、読者の中に将来を嘱望されたエリートがいらっしゃったら心に留めておいてください。

「漢字読めない首相誕生のメカニズム」への2件のフィードバック

  1. 漢字が読めないことそれ自体よりも、人の上に立つ者としての心構えがなっていないのが、麻生さんを信頼できない理由ということですね。
    幸か不幸か私も若い頃は漢字の読み間違いではありませんが様々な失敗をしては上役に大目玉を喰らっていたものです。
    今にして思えば、有り難いことです。
    もっとも、未だ人の上には立っていないので、修養が足りないのかもしれません。あるいは能力か・・・

  2. 個人的には、麻生さんの政策に関しては割と信頼してます。漢字の読み間違いとか失言とか脇が甘いのは、育ちの良さの表れであって腹黒くないだけマシとも言えますしね。
    ただ、首相には腹黒さも必要でしょうし、難しいですね。

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