都庁舎はバブルの塔か

東京都庁
(c) Wiiii CC BY-SA 3.0

早いもので、現在の東京都庁舎が竣工してから23年以上たちます。当時の鈴木俊一都知事のやや強引とも言える手法は反発を生み、世はバブル経済の真っ最中であったことから「バブルの塔」などとも揶揄されました。

なるほど、バブル景気でもなければあのような立派な庁舎は建てられなかったでしょうから、その意味ではまさしくバブルの塔です。

しかし、多額の税金を投入して無駄なものを作った、という意味で言っているとしたらそれは少し違うように思います。丸の内にあった昔の庁舎は、老朽化していた上に手狭で、早晩移転は免れませんでした。

新宿という便利な場所に、多くの機能を集中した超高層ビルを建てることが出来たのは、むしろ「バブルの賜物」と言うべきでしょう。

鈴木氏は東京オリンピック、大阪万博を仕切った

鈴木俊一氏は東京オリンピックの時副都知事で、都政を事実上取り仕切っており、また、大阪万博の時は日本万国博覧会協会事務総長でした。

このようにイベントを成功させることで出世してきた鈴木氏は、新庁舎建設という大きなイベントをもって政治家人生の締めくくりとしたかったのでしょう。

そういう観点からすれば、あの庁舎は鈴木俊一の虚栄心が具現化したものと言えなくもありません。彼の敵にとっては見るのも厭わしいことでしょう。

しかし、都全体、ひいては日本全体から見ると、その動機はどうあれ、よくぞ建ててくれたと誉め称えられてしかるべき業績です。

もし都庁を建てなかったら?

このことは、仮に都庁を建てずに他のことに予算を使っていればどうだったかを考えるとより一層はっきりします。もし、最近の某政党のスローガンのように「コンクリートから人へ」などと都民に配っていたら、バブルを加熱させるだけで何も残らずに終わってしまったことでしょう。

そう、なにかが残ったということが大切なのです。

バブル、すなわち泡沫、あぶく銭です。でも、あぶく銭であっても、それで家を建てたなら賢明です。たとえ一文無しになっても、家があれば夜露をしのぐことは出来ますから。

ギャンブルですったり、キャバレーで豪遊したりして、何も形に残さずにお金を失ってしまえば、それこそホームレスです。

維持費が問題だが……

確かに、現在の都庁は巨大で、また構造も特殊であるために、かなりの維持費がかかるという問題はあります。しかし、古く、建物が分散していた旧庁舎に留まっていたとすれば、さらに多くの維持費がかかったはずです。

あの独特の形が都民にも親しまれ、また観光名所にもなっているという、シンボル的意味合いも小さくありません。

新都庁建設はバブル期のお金の使い方としては決して悪くなかったと言えます。

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