続・移民の受け入れよりも先にやるべきこと

前回の後半はかなり舌足らずになってしまいましたので、若干補足します。

「頭脳を活用」とは

一口に「頭を使う」と言っても色々あります。他人を陥れ、踏みつけにしながら出世を図る、そのようなことに頭を使う人も大勢います。しかしながら、私の言う「頭脳の活用」は無論、そのような意味ではありません。

足を引っ張り合うのではなく、新しい需要を生み出す方法について皆で頭をひねってはどうか、ということです。

思い返して欲しいのですが、5年前には iPhone などこの世に存在していませんでした。従って「iPhone が欲しい」と思う人もいませんでした。つまり、タッチパネルを備えたスマートフォンの需要は殆どありませんでした。ですが、「夢想だにし得なかった」かと言えば、必ずしもそうではありません。技術的には十分可能だったにもかかわらず日本の企業にはそれを実現しようとする意欲がなく、Apple社にはその意欲があったのです。

日本経済を再び浮揚させるには、あらゆる業界で Apple 並の、否、Apple 以上のイノベーションを起こさなければいけません。なにしろ、我が国の誇る「資源」は「頭脳」しかないのですから。

教育を変えよ

まずは、教育を変えなければなりません。
現在の教育は、産業社会、とりわけ「製造業の経営者側にとって便利に使える奴」を生み出すことに最適化されています。コツコツと言われたとおりに休まず働く従業員。
しかし、ただでさえ人余りの世の中で、そういうタイプはもうそれほど必要ないのです。それこそ賃金の安い移民に置き換えられてしまうのがオチです。
新しい製品、新しいサービスを次々に考え出し、世界をリードしていくような人材を育てなければいけません。

具体的には、記憶力重視から問題解決力重視への転換です。極端な話、試験にPCを持ち込んで良いこととし、自由にインターネットで検索して答えを導くようにするのもアリではないかと思います。無論、最近起きた事件のようにYahoo知恵袋で質問して答えを待つというような横着はできないように技術的に工夫する必要はあるでしょうが。

また、教員の質も向上させねばなりません。教壇に立つための条件として修士号の取得を義務づけるのも一つの方法でしょう。あるいは法科大学院に倣い「教育大学院」を創設し、その修了を以て教員たる資格とすると尚良いかもしれません。

イノベーションを支える文化

「日本人は模倣に長けてはいるが、創造性に乏しい」とは、よく言われることです。しかし、これは「追いつけ追い越せ」型経済の下では模倣が一番効率が良かったからそうしてきたまでのことで、日本人の本質を言い当てているとは思えません。

やや左翼臭い言い方ですが、封建時代の道徳は封建支配に都合良く出来ていました。親には孝行せよ、主君には忠義を尽くせ等々。
同じように近代以降の道徳は(崩壊しつつあるものの)産業社会にとって都合の良いものになっています。朝早く出社して夜遅くまで残業するのが良い社員であり社会人である、という風に。

これらは一概に否定すべきものではなく、それぞれの時代を支えた「文化」でした。

今、私たちは、多大なる苦痛を伴いつつもその文化を新しい時代に合ったものへと変容させなければなりません。

とにかく自分の頭で考える。産業であれ学問であれ芸術であれ、それぞれの持ち場で、新しいアイデアを生み出すよう努めることが美徳とされる文化。

それこそが、これからの日本に必要なのです。

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