ソフトウェアは見た目が大切

先日、Joel Spolsky氏が来日講演し、ソフト開発の三つのポイントを挙げたそうです。曰く、「幸せ・感情・美学」だそうですが、理系頭の開発者にとって理屈では分かっていてもなかなか納得しづらいのが三つ目の「美学」ですね。
プログラマは、要求された機能を実現するために最も洗練された、美しいアルゴリズムで実装することに心を砕く(と思う)わけですが、アルゴリズムは見えませんからね。ユーザーにとっては機能が全てであって、それがどのように実装されているかについては全く関心がありません。
更に言うと、その「機能」も実は目に見えないんですね。画期的な機能があるのにユーザーはそれに気づいていない、ということがよくあります。メーカーとしては、「これぞ」という機能は「本ソフトウェアの特徴」などと宣伝することくらいしかできませんが、人はそもそも使ったことがない機能について説明されてもイメージすら浮かばないものなのです。
Spolsky氏は、建築の世界では装飾を取り除いたデザインが主流となっているが、ソフトウェアでは無駄と思える要素も必要、と言っています。
これも結局、「見た目」に還元できる話だと思います。建築では見た目で機能美を表現することが出来ますが、ソフトウェアでは不可能です。使い込んでみて初めて「無駄のない良いデザインだな」とわかる程度です。
ですから、我々素人は結局本当に「見た目」、つまりUIの出来によってしか評価しないんですよね。会議で、機能は殆ど出来上がっているソフトウェアに仮の粗末なUIをつけてプレゼンすると重役達は渋い顔をし、なーんにも出来てなくてもそれらしいUIを見せると満足するものなのだとか。

ところで、このエントリを書くために参照した ITPro の記事は、奇しくも「ソフトウェア見た目が大切」となっていました。「も」というからには記者氏の念頭には「見た目が当然重視される何か」があった筈です。なんでしょうね。やっぱり「人間」でしょうか(笑)

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