「クレーム」には不当な要求という意味はない

とある掲示板を見ていて面食らいました。

「~は正当な抗議だから、クレームとは違う」とう書き込みを見たからです。

どうもこの人の中ではクレームという言葉には「不当な」というニュアンスがあるようです。しかし、英語の”claim”は、辞書(ランダムハウス英語辞典)によれば、

…を(当然のものとして)要求する;〈支払い・賠償などを〉請求する;…の所有権を主張する,〈落とし物などの〉返還を求める;〈権利・資格などの〉承認を要求する;〈…するように〉要求する

などといった意味です。別に「不当な要求」というニュアンスはありません。(ただし、claimer は要求ばかりしている人ですから「不当」と見なされることもある)

恐らく、声高に権利を叫ぶことを嫌う日本人の体質が、クレーム=不当というイメージを生んだのでしょう。

もう一つ、普通の日本人が殆どクレームをつけないため、クレームをつけるのは普通ではない人達、例えばヤクザなどが多いということもあります。

なんにせよ、これからの時代、正当なクレームならどんどん言うべきです。問題は正当なクレームと不当なクレームの境界はどこにあるか、ということです。

目印は「権利であるか否か」です。

  • 店員の態度が気にくわない → 正当なクレームではない。良い接客を受けることは権利ではないため。気にくわなければ他の店へ行けば良い。
  • 床に落としたパンを取り替えずに売ろうとした → 正当なクレーム。客は床に落ちてないパンを買う権利がある。

権利を主張しないのが美徳、などというのは間違っています。必要な時、必要な場所で正しくクレームをつけられる人間になりたいものです。

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