やっぱりパンがもったいない

聞くところによると、最近小中学校では、給食のパンを持って帰らないように指導しているのだそうです。
廃棄してしまうのはもったいないではないか、という苦情が数件あったというニュースに対して、2ちゃんねるでは「もったいないなどというのは貧乏人の価値観」、「どうせ、傷んだパンで腹をこわしたら学校を訴えるんだろ」という意見が散見されます。本当にびっくりです。まあ、「事勿れ主義もたいがいにせい」というごく普通の意見も多いですけどね。

そう、事勿れ主義が最大の問題なのです。確かに、給食のパンは防腐剤を使っていないので腐りやすいのかもしれない。子供のすることだから、日の当たるところに放置したりするかもしれない。食べてしまえば、パンがどういう状態だったかは分からなくなってしまうので、「学校のパンで腹をこわした」と訴えられると反論の材料がない。それならば、持ち帰り一切禁止、全部廃棄してしまえ、ということなのでしょう。

しかし、防腐剤など入っていなくても、パンが半日くらいは持つのは常識です。もちろん、季節によっても違うし、個体差もあるでしょう。が、そういうことも含めて、「このパンは食べられるかな? 悪くなってないかな?」と判断するのは、あくまで食べる人です。古くなったパンを食べてお腹をこわそうが、運悪く死のうが、その人の自己責任。そんな当たり前のことが通用しない世の中なのでしょうか。

実は、余った給食のパン全廃棄は何と97年からずっと続いているそうです。冒頭の2ちゃんねるの人も、こういった事勿れ主義で真剣に教育する気がない連中のせいで、吝嗇と倹約の区別さえ教わらずに育った被害者なのでしょう。

もちろん、この程度の無駄は社会全体では微々たるものです。野菜がとれすぎて潰したりだとか、スーパーやコンビニで賞味期限切れの食品が大量に廃棄されたりなど、たしかに世の中もっともったいないことはたくさんあります。しかし、教育の場で、給食時間を過ぎたら全部捨てさせる、というのはあまりに非教育的です。

一事が万事と言います。保身のためにパンを全廃棄させるような場では、おそらく、他のいかなる事に対してもまず自分の身が第一、生徒のことは二の次、三の次なのでしょう。教員の方々は、自分の退職金の心配も結構ですが、少しは生徒のことも考えて欲しいものです。

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