ニコニコ動画が重いっ

ここ数日、ニコニコ動画(RC2)がものすごく重いですね。動画によっては見られたらラッキーという感じになってます。アクセスが殺到しているのでしょう。

……それにしても面白いですよね、ニコ動。何が面白いと言って、あの一体感といったらない。私は主に猫動画を見ているのですが(笑)、猫がなにか可愛いしぐさをした瞬間に「かわいいいいい」と一斉にコメントが入る、あれです。実際には皆それぞれ時間的にかなり離れて閲覧しているわけですが、なんとなくみんなで一緒に動画を見ているような気にさせられます。疑似同期性というのだそうです。

さて、私たち利用者にとっては実に楽しいニコ動ですが、反面難しい問題を孕んでいます。

一つは採算です。有料のプレミアム会員が今後もそうそう増えることはないのは目に見えていますし、広告収入はかなり増えつつあるものの、未だ赤字だそうです。このまま行くとリソースを増強できずにますます重くなり、従って広告収入も伸び悩むという悪循環に陥るかもしれません。

もっとも、現状では動画の読込みに失敗して再度読込みする際に暇つぶしに先に表示された広告を見たりする人もいるので、ある意味うまくいっているわけですが、それも一時しのぎであって、あまりにも動画が重いとやがて利用者から見放されてしまう心配があります。

もう一つは著作権問題です。YouTube 等にも言えることですが、特にニコ動には映画やドキュメンタリ、ニュース、アニメなど、放送に供された番組があまりにもアッケラカンとアップロードされていて驚かされます。

もちろん、権利者から削除要請があればニコ動側は直ちに応じるのでしょうが、そのように権利侵害の監視コストを全て外部に負わせるのはいかがなものかと思われます。当然、権利者によってはそのようなコストと、被った損失とを天秤にかけて、見合わないと考えたならば放置せざるを得ないでしょう。

また、権利者は、ニコ動利用者の「反発」も考慮に入れなればいけません。例えばある放送局の番組(を違法にアップロードしたもの)が次々と削除されると、その放送局がネットを検閲している(法的には、検閲の主体は行政権ないし公権力であると(学説にもよりますが)言われていますが、ここではもっとざっくりとした大雑把な意味で言っています)という悪いイメージが広まってしまうかも知れません。利潤を追求する私企業である放送局にとって、株価に直接影響する「悪いイメージ」は深刻な問題です。

もし、ニコ動が、権利者はこのような利用者の「反発」を慮って強い態度に出ることが出来ない、ということを計算に入れているとすれば、かなり悪辣だと言わなければなりません。

しかし、です。ぶっちゃけ私もニコ動に上げられている映画やアニメを喜んで見てしまっています。利用者としては権利者のことなんか知ったこっちゃありません。

正直に言って、画質も音質も遙かに劣るにもかかわらず、普通にテレビで見ているよりニコ動で見た方が面白いのです。それというのも最初の方で述べた疑似同期性のお陰。これはもう、新しい動画の楽しみ方なんですね。

ですから、ニコ動が上記のような著作権問題を抱えているのは確かなのですが、権利者、特に放送局は、もう頭を切り換えてチャンネルが一つ増えたと考えればいいのではないかと思います。放送局が率先して動画をアップロードし、広告収益を山分け、コレです。もちろん、今のところテレビCMとニコニコ市場とでは規模が桁違い(前者が大きい)ですし、権利処理も素人が考える以上に複雑なのは承知していますが、それらを乗り越えてこそ放送の未来がある、と言っては言い過ぎでしょうか。

ぜひとも、利用者・ニコ動・権利者の利害が巧い具合にすり合わされ、今後も便利に利用し続けられるようになることを期待します。

……やれやれ、あまりにも重いので何度もリロードしながら待っている間に思い浮かんだことを書きつづっているとやたらと長くなってしまいました。「ふちゃぎん家の日常」が見たいのに~。

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