人混みが苦手なくせに、山口県下関市の「先帝祭」に行ってきました。
この祭り、以前は安徳幼帝の命日である4月23日に行われていたのですが、いつのころからか5月の連休に変わってしまいました。これも時代の流れですね。
安徳天皇をお祀りする赤間神宮です。まるで竜宮城のような華やかな建物ですが、幼帝が玉体を海底に沈ませ給うたことを思えばもの悲しくもあります。
さて、祭は、花魁(太夫)が禿などを引き連れ赤間神宮にお参りするという「上臈道中」がメインです。壇ノ浦の戦いの後、生き延びた平家の女官達が此の地に住み着き、花を売り、やがて春をひさぐようになったからと言われます。
できれば上臈参拝を見たかったのですが、まだ3時間前だというのに神社の境内はあまりにも人が多く、また良い場所で見るためにはお金を払わなくてはいけないというので、断念しました。写真は唯一見ることが出来た行列(太夫ではない)です。
そこで、商店街の方に移動しました。すぐそばの唐戸商店街です。こうやって下関市内を練り歩いて赤間神宮へと向かうのです。手前の禿(かむろ)がかわいいですね。
そして、「外八文字」を踏む太夫です。
太夫が現れると観衆は大層な熱狂ぶりで、数人の巨大なカメラを抱えたお調子者が、出てはいけないと言われているのに車道に出て、写真を撮っていました。ああはなりたくないですね。
上臈道中も見られたので帰路につきました。写真のレトロな建物は、なんと日本最古の現存する郵便局なのだそうです。
日清戦争の講和会議が開かれた建物もあります。現在は春帆楼というレストランになっています。
小さな町がこの賑わいです。
昔から「関の先帝、雨が降る。雨が降らねば金が降る」と言われます。
どうやら今日も金が降ったようです。