牛丼の価格と最低賃金

某牛丼チェーンのいわゆるワンオペ問題に関して、「政府が牛丼の最低価格を決めれば良い」と言っている人を見かけました。随分思い切った意見です。

しかし、それは賢明な策とは言えません。価格が上がれば売上げが減り、さらなる人件費カットが行われる可能性がありますし、仮に売上げが変わらない、もしくは増えたとしても、従業員に還元される保証はありません。

さらに困ったことに、それが何であれ、政府が価格を統制すると、デッドウェイトロスと呼ばれる損失が発生し、社会全体のパイ(Social Surplus)は必ず減少します。

では、賃金の方を公定すればよいのでしょうか。

いいえ、政府の介入は常に悪です、と言いたいところですが、さすがにそうは言い切れません。

理論的には賃金も「神の見えざる手」によって決まるとき、最も効率的になるはずです。しかし、実際には同じ仕事で一円でも賃金が高ければ明日からでも転職、というわけにはいかないので、「神の見えざる手」は十全には機能しません。

だから、法により最低賃金が定められているのです。

もっとも、私はこの制度(最低賃金による労働者保護)にも疑問を持っています。世の中の人全てが賃金だけで暮らしているわけではありません。例えば、不動産収入があるので食うには困らない人が、どうせ暇だからちょっと働きたいと言う場合。人によっては時給600円で良いというかもしれない。

あるいは、親に養ってもらっている学生がお小遣いを得るために働く場合、仕事のキツさと見合うなら時給500円でも構わないという人も居るでしょう。嫌なら働かないまでです。

端的に言って、最低賃金を撤廃すれば社会全体のパイは増えます。

一考に値する問題です。

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