続・アマゾンばかりが繁栄していて良いのか

昨日書いた「アマゾンが我々の富を吸い上げている」との論には、批判もあることと思います。

中には、「従来の小売業はアマゾン式のインターネット通販に地位を譲りつつあり、前者は滅び去る運命にある」という人もいます。郵便の普及によって飛脚が失業したのと同じというわけです。しかし、私はこの評論家的言説に納得できません。

なるほどアマゾンの繁栄はかつての英国の植民地主義とは違って武力を背景とせず、もっぱらテクノロジーの優位によってなされたものです。ですが、優れたテクノロジーさえあれば他国の文化や生活を破壊しても良いのでしょうか。昨日述べた三角貿易も、英国における産業革命、すなわちテクノロジーの優位によって可能となったことを忘れてはなりません。

マルクスは「資本論」の中で、「(英国産の綿織物によって)インドの平野は綿紡ぎ職人の白骨で染まった(Die Knochen der Baumwollweber bleichen die Ebenen von Indien.)」と書いています。

小売業者とアマゾンとの闘いは、まさしく労働者と機械との闘争(Kampf zwischen Arbeiter und Maschine)の一局面なのです。

テクノロジーの進歩を止めることは出来ませんが、それを我が国の疲弊に繋げず逆に発展に役立てることは出来ます。

国策で「日の丸インターネット通販サイト」を作り、様々な優遇によってアマゾンを駆逐するというのも一つの手でしょう。あるいはより現実的に、アマゾンを狙い撃ちする新税を設けても良いかもしれません。

何らかの対策が必要です。

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