麻生首相の書き初め

あけましておめでとうございます。

麻生首相が4日、記者会見で自ら揮毫した「安心活力」の四字を披露していました。上手下手は別として、その字句は簡にして素、意味もすこぶる穏当で、さすがに分かっていらっしゃるな、と思いました。
何を分かっているかと言うと、自分が「漢字読めない首相」と陰口を叩かれているということを、です。ここで妙にインテリぶって小難しいことを書くと、何を言われるか分かったものじゃありませんからね。

妙にインテリぶると言いますと、故宮沢喜一首相は、揮毫を請われると好んで「一片氷心在玉壺」と書いたそうです。「一片の氷心玉壺に在り」、王昌齢の一節で、清く澄みきった心境を表しています。博学で知られた宮沢氏の面目躍如たる一文ですが、筆者はどうも、一国の首相が書くには相応しくない文だと感じていました。なんか、ええ恰好しすぎだし、自分の心境ではなく、天下国家のあるべき様を指し示すべきではないかと思うのです。首相なら。

その点、麻生首相の「安心活力」は上にも書いた通り誰にでも分かる易しい言葉ですし、一定の「理想」が示されている点で、「一片氷心在玉壺」より好ましいと言えましょう。
どうも世間ではこの人をバカだの漢字読めないだの散々に言っていますが、彼の示した政策を仔細に見ると、なかなか良いものが多いのです。例えば、教育再生については理念だけでなく具体的な数値目標を掲げていますし、例の特別給付金にしても、バラマキという批判もあるものの、庶民としては「頂ける物は有り難く頂いておきましょう」というのが本音です。低下した消費マインドをなにほどか上向かせる効果があるならば、大変結構なことです。景気が良くなれば税収などは勝手に増えるのです。

ただ、麻生さんに関して唯一心配なのは、失言が多いことですね。この点だけは言語明瞭・意味不明瞭で有名だった宮沢さんを少しは見習った方が良いのかも。

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