山田風太郎に「あと千回の晩飯」という本がありますが、私も食い意地が張っているもので、あと何回晩飯が食べられるかしょっちゅう考えています。
平均寿命まで生きるとすると一万数千回の晩飯が食べられる計算です。明日死ぬかもしれぬからそのような皮算用は意味をなさぬ、との批判もありましょうが、何をどのくらい食べるかは人生の一大事ですから、よくよく考えておく必要があります。
回数が限られているから、できるだけ美味しいものを食べるべきなのか、舌が肥えてしまわないように日頃は粗食に甘んじて、偶に美味しいものを食べるべきなのか。
恐らく、後者が良かろうかと思います。毎日が美食三昧だと、感動が薄まってしまいます。私など、幸か不幸かこれまでの人生でロクなものを食べていないので、ちょっとしたことで感動を味わうことができます。「あっ、この肉じゃが、肉が多い」とかですね(笑)
そういう意味で先日の「ハンバーグが美味しくない事件」も、全くの無駄な体験ではなかった、と言えます。
それにしても、あれ、何の肉だったのだろう……