かけ算の順序

定期的に話題になることの一つに、「学校教育においてかけ算の順序を強制すべきか否か」があります。

強制すべきとする人々は、1つぶんの数 × いくつ分 の順で式を立てなければならない、と主張します。かけ算の概念をそのように教えるからです。彼らによれば、「5つの皿に饅頭を3個ずつのせた。饅頭は全部でいくつか」という問題に、5 × 3 = 15 と答えるのは誤り、となります。

また、彼らは「乗算の交換法則は計算のルールに過ぎず、まずは正しい式の立て方を教える必要がある」とも言います。なるほど。

しかし、しかしですよ、仮に 1つぶんの数 × いくつ分 の順を守るとしても、皿に1個ずつ饅頭を置いていくと考えると、5個で1巡し、3巡したところで終わるので 5 x 3 とすることも可能なはずです。「1個ずつ配るのはナシ」とでも言うのでしょうか。

確かに、子供は問題文の意味をよく検討せずに、「今、かけ算を習ってるから、出てくる数字をかけ算しておけばいいんだろう」的な発想でやってしまうことがあります。教師には、生徒がきちんと文章を読んで理解した上で式を立てているかを見極める必要はあります。

しかし、「1つぶんの数 × いくつ分の順になっているか」などといったことは生徒の理解を推測するよすがに過ぎず、本当に理解しているかを調べるにはもっと緻密な考査が必要です。メルクマールに過ぎぬものを教師が勝手に規範にまで昇格させるのは不当です。

それに、生徒は割り算を習う時点で嫌でも順序について意識せざるを得なくなります。その時に、遡って、かけ算や足し算は交換法則が成り立つけど引き算や割り算はそうではないことを理解すれば十分です。

かけ算の順序にこだわることに意味があるとは思えません。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

*