鉄がくっつくわけでもないのになぜ「磁器」というのか

殆どの日本人にとって中国語の会話は全く分かりませんが、文章は漢字で書かれるだけに何となく理解できたりします。特に古文は日本でもなじみ深いものが多くあります。

少年易老学難成

「少年老い易く学成り難し」と読み下すことは中学生でも知っています。ちなみに日本に於ける「音読み」は漢字が輸入された当時の中国語の発音を示しており、「少年易老学難成」は「ショウネンイロウガクナンセイ」に近い発音だったようです。

「国破れて山河あり」とか「春眠暁を覚えず」もそうですね。学校で教わる「漢文」は中国語の古典にあたります。

けれども、現在の中国語は独自の発展を遂げており、容易に理解できません。「手紙」はトイレットペーパーのことだし、酒店は酒屋でなくてホテルのことです。打字机(タイプライター)は発音を誤ると打自己(わたしをぶって)になってしまいます。

最近興味深いと思ったのは、日本語では「磁器」というところを、中国語では「瓷器」ということです。

瓷器

「磁」といえば真っ先に思い浮かぶのは「磁石」であり、鉄を引きつける鉱物です。磁器にはそのような性質はないのになぜ日本では磁の字が使われるのか。一説には中国の河北省磁県から多く産するためとも言いますが、必ずしも明らかではありません。

その点、瓷は見慣れない字ではありますが、次の瓦、かわらけのネクストバージョンという感じでイメージとしてはぴったりですね。

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