少子高齢化が叫ばれています。我が国の人口は、平成19年以降はっきりと減少に転じました。
平成18年 127,770,000
平成19年 127,771,000
平成20年 127,692,000
平成21年 127,510,000
平成22年 127,380,000
これらは各年の10月1日時点での人口の概算です。今年(平成23年)の10月値は(当然)まだ発表されていないので、推測してみましょう。
ある時点の人口を N 、時間を t とすると、次の微分方程式が導かれます。
t で両辺を積分すると、
(A は積分定数)
従って、
t = 0 とすると logN0 = A なので、
e は自然対数の底です。
さて、平成21年の値が 127,510,000 で、平成22年の値が 127,380,000 なので、定数γは
これを当てはめてると平成23年の10月値は、
およそ 127,324,000
と予測できます。
同様に計算を繰り返すと、平成24年には127,300,000、平成25年には127,290,000 となります。
うーむ、じりじりと減っていきますね……。
なお、この予測では過去一年間の減少が自然減のみで、且つ今後も自然減しか起きないと仮定しています。
国民の頭脳を活用すべし
小学校のころ、先生が「日本は資源のない国だから、頭を使って稼ぐしかない」とよく言っていました。そのときはおっさんの繰り言くらいに考えていたのですが、今にして思えば実に的を射た意見です。
人口減それ自体はまだしも、人口構成が頭でっかちに、つまり年寄りばかりになってしまうのはかなり深刻な事態です。
とは言え、「大変だ、大変だ」と騒いでみても何も始まりません。少しでも出生率を上昇させる努力が必要なのは勿論ですが、もう一つ重要なのは今現在の国民の能力をフル活用することです。
確かに年を取ると考える力は衰えます。しかし、そこをなんとか頑張ってみるのです。60を過ぎても、70を過ぎても、人間考え抜けば何か知恵が出るものではないでしょうか。
何も難しいことを考える必要はないのです。
例えば、そのへんのホームセンターで「ちょうつがい」を買うと、取り付けるための木ねじも一緒に付いてきますよね。これはもともと(100年以上前に)アメリカのスタンレー社が始めたことで、それによって売り上げがぐっと増えたそうです。
「いや、昔はその程度で良かったかも知れないけど、今はあらゆるアイデアが出尽くしてるから無理だよ」とお思いでしょうか。確かにそういう面もありますが、要は心がけ次第です。コロンブスの卵です。
日本には、高い知能と教養を持ちながら、今ひとつ生かし切れていない人が多くいます。これは考えようによっては、膨大な資源が眠っているに等しい状態なのです。
これからは、あらゆる業種の人々が今よりもさらに頭を使って、それぞれの業界で世界をリードするくらいにならなければなりません。
明治政府が富国強兵をスローガンとしたのと同じように、今、私たちは頭脳立国を国是とし、文化として組み込むべきです。
大変困難な道ですが、やってできないことはない筈です。移民の受け入れなどはその後の話です。
参考文献:
総務省統計局 人口推計
Modelling with Differential Equations by David N. Burghes, M. S. Borrie