歌が上手くなる方法


 今日も、初心者向けのお話です。歌が苦手という方には大きく分けて2種類あるようです。

1.音程が定まらない。

どうもピッチがおかしく、音痴になってしまうという場合。まず、自分の音域を知ることです。無理に音域を広げようとせず、歌いやすい音域で歌う方が好結果を生みます。
次に、2度、3度、4度、5度、オクターブ、の各音程を”暗記”しましょう。もちろんこれ以外の音程もたくさんあるわけですが、平易な曲ではこの5種類が大多数なので、これらを確実にものにするのが効率的なのです。
私の場合、4度の音程がすこし苦手だったのですが、「蛍の光」の歌い出しの「ほ」と「た」の音程だと教わってからは一発で覚えました(笑)
ギターのそれぞれの弦の音程(6弦と5弦、5弦と4弦……、etc. 3弦と2弦を除く)も4度なので、素早くチューニングするのにも役立ちます。

2. 声が出ない

こちらはなかなか難しいです。「良い姿勢を保ち、口を大きく開く」というのがセオリーですが、合唱コンクールではともかく、ブルースにはちょっと当てはまりません。
他にも「喉で歌わず、腹から声を出す」といった、ちょっと抽象的な指導法も流布していますが、一朝一夕にできるものではありません(ただし、腹式呼吸だけはマスターしておいた方がいいです)。

そこで、本欄では誰でも簡単に出来る方法をご紹介します。それは、「鼻をひらく」こと。
鼻の柱(鼻梁)の中程を親指と人差し指でつまみ、口を閉じて「ん゛~~」とうなってみてください。喉ではなく鼻でうなります。「ん゛~~」。
いかがでしょう? 鼻全体がブルブルと細かく震動するような感覚があれば成功です。歌う直前にこれをやると、なぜか声が出るようになり、音域も若干広がります。

さて。上の二つは簡単に実践できて、確実に効果のある方法として自信を持ってご紹介できるものですが、一番大事なのは、実は「歌そのものをしっかり覚えること」ではないかと思います。少々のテクニックがあっても、うろ覚えの曲など上手に歌えるものではありません。結局、イヤでも間違わずに歌えるくらいになるまで何度も何度も聞く、これが上手く歌うための必要条件と言えるのではないでしょうか。十分条件ではないにしても。

押し入れからギターを取り出して弦を張ろう

 皆様はアコースティックギターの弦には何をお使いでしょうか。私は D’Addario のフォスファーブロンズ弦が好きです。ミディアムゲージを張ってたこともありますが、やはりライトゲージが肩が凝らなくていいですね。
音のきらびやかさだけから言えばヤマハの弦が一番だと思うのですが、それも新しいうちだけで2,3日も弾いてるとすぐへたってきますからね~。その点ダダリオの持ちの良さは驚異的です。それに、ヤマハのはブルースには音が綺麗すぎる気がします……。

もう一つ。普通、3弦は巻弦ですが、ブルースではスライドを多用するために、敢えてストレート弦を張ることがあります。それ用にセットになっているものもあれば、ヘビーゲージ用の2弦で代用する場合もありますが、後者が探す手間も省けてお薦めです。ただ、最初は感触に慣れないのでかえってスライドしにくかったりするんですけどね。
どんな弦を使うにしろ、新しい弦を張ったギターを爪弾くと実に気分が良いです。
もし、読者の方で、もう随分と弦を張り替えてないという方、あるいはギターを押し入れに突っ込んだまま永いこと弾いてないという方などがいらしゃったら、ぜひ新しい弦を張って久しぶりに弾いてみて下さい。そして、当ブログをブックマークして下さい!(←厚かましい)

追記:
私はことあるごとに「新しい弦って気持ちいいよね~」と周囲に語っているせいか、よく弦をプレゼントされます。言ってみるものです。(←厚かましい)

密州怨曲

先日話題にした競走馬のデルタ・ブルースですが、Wikipedia によると香港名を「密州怨曲」と言うそうです。密州はもちろんミシシッピ州のことでしょう。そして怨曲がブルースなのでしょうが……怨って(笑)

以下、ちょっと真面目な話。
確かに、昔のアメリカ南部諸州で黒人達がいかに抑圧されてきたかを考えれば、「怨」というのもあながち間違いではないようでもあります。 しかしながら、少なくとも芸術にまで高められたブルースに於いては、そういった生々しい「怨」は、そのままの形では存在し得ないでしょう。ブルースのなんたるやを論じ始めると長くなって大変なのですが、かいつまんで言うとブルーな気持ち、恐らくは白人のメランコリーとはまた違った「憂鬱さ」を表したものかと思います。ブルーはやっぱりブルーなのです。うらみではなくて。
「人種差別を撤廃せよ!」と声を張り上げて拳を突き上げるような、そんな音楽ならば、私たちがこうまで心惹かれることもなかったのではないでしょうか。無論、人種差別に賛成だというわけでは毛頭ありません。ただ、特定の主義主張に与する芸術はおしなべて人を感動させる力が弱いと言いたいのです。

ちなみに、ブルースにはブルーなことばかりではなく楽しい出来事を歌ったものも多くあります。もっとも、それも日常の憂さを忘れるためであったとすれば、やはりブルーな気分と表裏一体なのですが。

追記:
中国語の「怨」は、特定の誰かを怨むというだけでなく、気分の晴れないこと、残念な気持ちを表すこともあるそうです。
cf.「乱世ノ音ハ、怨ニシテモッテ怒シ」〔詩経〕

カモン デルタブルース

Score-Grapher.gif

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デルタ風ブルースを一曲作ってみました。非常に簡単ですので、ギターを始めたばかりの方にもすぐ弾けると思います。一緒に練習して参りましょう。

まず、ブルースではお馴染みの8分の12拍子です。12拍子といっても4拍子のバリエーションみたいなもので、1拍がさらに3つに分かれると考えると分かりやすいです。タタタでひとかたまり。タタタ・タタタ・タタタ・タタタで1小節です。

各小節に何度も現れるシレーミ(Key of E なので正しくはソシードですが)は中指で3弦4フレット、人差し指で2弦3フレット、1弦開放をタタータとリズム良く弾きます。慣れたら中指で3弦2フレットから4フレットへとスライドさせて装飾音符を加えてください。五線譜の方には最初から入れてあります。

(余談ですが、私の使っている Score Grapher Pro Ver5 にはギターのスライドをタブ譜で表現する方法が無いようです……。うむむ)

3小節目のB7、一見難しく見えるかも知れません。ここは人差し指で4フレットの1~4弦をバレーし、中指で1弦5フレットを押さえるととても簡単に弾けます。次の小節のA7も同様に、人差し指で2フレットの1~4弦をバレーし、中指で1弦3フレットを押さえます。
ローコードのA7と言うと、2弦2フレットと4弦2フレットを押さえる、と最初に習うかと思いますが、上のように人差し指で小バレーするやつは、指盤のどこでも応用の利く便利な押さえ方ですので私は好んで用います。
この曲もB7とA7を同じ指の形を横にずらすだけで弾けます。

さて。できれば、マディー・ウォーターズの初期の録音を聞いてみてください。後期には非常に洗練されたシカゴブルースと呼ばれるジャンルを築き上げたマディーですが、南部に住んでいた頃の古い録音はまさにデルタ・ブルースです。素晴らしい演奏をたくさん聴いて、「自分もこんな風に弾けたら!」と強く願うことが上達への近道なのだそうです。その点、私も願望だけなら人一倍なのですが(笑)

ところで、またしても余談ですが、デルタ・ブルースでぐぐって見ると有名な競走馬がいるらしく、そっちの話ばかり出てきました。恐らく馬主さんがブルース好きなのでしょう。

ブルースで馬と言えば “C. C. Rider” ですが……、それはまた別の機会に~♪

五度圏

今回は本当に初心者向けのお話なので、中上級者の方は(もし御覧になっていたら)読み飛ばしていただきたいのですが、五度圏の話です。

以前、スリーコードは機械的に覚えるよりもそれぞれの調の I, IV, V として覚えた方が良い、というようなことを書きました。そうは言っても急に「Key of ○ の IV は?」などと問われると分からなくなってしまいませんでしょうか。私はよくなってました(笑)
これを一瞬にして解決するのが五度圏です。♯や♭が何個ついてるか知るためだけじゃないんです。
五度圏のある調から時計回りに一つ進むとその音が V なのですね。反時計回りに一つ進むとその音が IV です。
例えば、Key of C では隣の G が V です。反対側の F が IV です。簡単ですね。

では、Key of B ではどうでしょう?
I = B, IV = E, V = F ですね。

伴奏を頼まれたときなんかに、この手でカポを使わずに相手の音域に合わせられたら驚かれますよ~。

リズム感をよくする方法

rhythm.jpg リズム感というと、何か一種神懸かり的な能力という捉え方をする人が多くいます。また、「日本人はリズム感が悪い」などともよく言われます。これらはすべて誤解で、リズム感とは単純至極、規則的な「拍」を感じる能力なのです。
ただ、日本の伝統的な「拍」と西洋音楽の「拍」とは意味が全く異なるので、その限りにおいては「日本人はリズム感が悪い」という傾向はあるのかも知れません。どういうことかと言いますと、日本の「拍」はその時々の「間」によって変化する、言わば不定時制なのですね。一方西洋音楽では一拍の時間的長さは原則として常に一定です。この単純明快さが日本人にとっては却って分かりにくい。

とにかく、単純に考えるのが秘訣です。4分の4拍子ならば1小節に4分音符を4回打つ、休符や8分音符、付点4分音符などがしばしば現れますが惑わされずに1小節に4つの「拍」を常に感じるようにする。それだけです。
日常生活でも、規則的な動きを発見したらリズムを取ってみる。例えば車のワイパー。ワイパーの一往復を1拍としてリズムをとってみる。ワイパーが上がる(ウラ拍)のを意識するのがコツです。アウフタクトの曲はもちろんのこと、カントリーブルースの曲は全般にウラ拍から始まる音が驚くほど多いものです。そこを拍のアタマでとってしまうから訳が分からなくなってしまうのですね。

上記の日常訓練、オススメです。ただし、ワイパーを注視するのは助手席のときに限ります。自分で運転しているときにやってたらシャレになりませんよね!(笑

ヘンなクセがあるんです

皆様はフィンガーピッキングのときピックガードに指をつけますでしょうか?
クラシックギターではもちろん、いわゆるフォークギターでもつけないのが正しいとされているようです。が、私はつけます。小指だけでなく薬指まで軽くピックガードにのせるようにしています。カントリーブルースでは右手の薬指をあまり使わないために、右手が安定するこの方法が適しているのではないかと考えています。

他にも、ローコードの F はバレーではなくグリップハンドで押さえますし、E は3弦の1フレットを人差し指で、5弦の2フレットと4弦の2フレットを中指の小バレーで押さえます(この方が薬指が自由になって便利)。どうやら私は標準とはかなり異なる弾き方をしているようです。

正統派の音楽では「変なクセをつけると後で苦労する」と言って厳しく矯正されますが、自分で楽しむための音楽ならば、こういった我流の奏法もある程度許されると思っています。 いえ、むしろ「独特の弾き方でカッコイイ」と自画自賛しています(笑
まぁ、独特と書きましたがピックガードに指をつけるのはフィンガーピッカーの間で広く行われていることで、特に珍しいことではありません。ただ、クラシック畑の人から「指つけちゃダメだよ」と時々突っ込まれるので、今日はそういう奏法もあるのだと主張してみました。

たまにはピアノも

keyboard.jpg よく「英語の早期教育などやっても日本語も英語も中途半端になるだけだ。国語教育に注力せよ」という意見を耳にします。一理あります。でも、私は、むしろ日本語を重視すればこそ早いうちに外国語を学ばせるべきだと考えます。他言語に触れることによって日本語の理解がより深まるのではないかと思うのです。
というわけで、今日はギタリストも他の楽器をやってみてはどうか、という話です。ちょっと脈絡が変でしょうか(笑)
言われなくてもやってるよ~という方も多いかと思いますが、ギター一本槍で来た方は「いまさら他の楽器もなぁ」と少し億劫に感じられるかも知れません。が、騙されたと思ってやってみてください。必ずや世界が広がってギタープレイにもフィードバックされること請け合いです。

どの楽器をやるかですが、やはりピアノないしその他の鍵盤楽器が無難かと思います。撥弦楽器じゃ代わり映えがしませんし、大人になって擦弦楽器を始めるのもかなりキビしそうですしね。
ただ、ピアノというものは取っつきやすい反面、なかなか上達しないんですよね。聞くところによると、10歳未満で始めなければピアノをマスターするのは不可能だそうです。けれど、何も演奏家になるわけではないのですから、20歳過ぎようと還暦過ぎようと、自分で楽しめればそれでいいのではないでしょうか。

さて、私の場合ですが、主に左手でコードを押さえる練習をしてます。ピアノ曲には凝った対位法なども多いのですが、そこに分け入っていくと大変なので。分散和音についても漫然と音符を追うのではなく、できるだけコードを意識して弾くことで、それぞれの響きを覚えるようにしています。
難しいのは、鍵を押すタイミングだけでなく、上げるタイミングにも最大限神経を使わないといけないことですね。ギターでは余程響きを損なわない限り、あまり厳密にミュートしたりせず次の小節でも前の音が鳴ってたりしますが、ピアノではその辺が全く違います。とにかく他の楽器をやってみると色々と新しい発見がありますので、読者の方々にも是非お薦め致します!

ところでここ数日、張り切りすぎて毎日更新してきましたが、少々疲れてきました(汗 今後はもう少し間隔を開けようかと思いますが、できれば三日に一度、長くても一週間に一度くらいの更新頻度は保っていくつもりです。よろしくお願いします。

なんて読むの?

ブルースのコード進行はたった三つのコードからなる非常にシンプルなものであるとよく言われます。実際はそうと決まったものでもないのですが、まぁ、最初はそう考えて差し支えないでしょう。
このコード進行というものを考える時に便利なのが I, IV, V という呼び方です。例えば key of E では I7 → E7, IV7 → A7, V7 → B7 ですよね。
とにかく、

I I I I IV IV
I I V IV I V

……と覚えておけば、どの調でも対応できるわけです。

以前見かけたジャズの理論書に、「日本では E とか A とか B などとコード名を呼称し、I, IV, V のように呼ぶことは少ないが、コード進行を理解する上では後者の方がのぞましい」というようなことが書いてありました。
確かに、私も以前バンドをやっていましたが、I, IV, V と呼ぶことは無かったように思います。なぜでしょう?

読み方がよく分からないからだと思います(笑)
おそらく「ワン・フォー・ファイブ」と読むのだと思いますが、あまりにも一般的な語彙なので、音楽用語という感じがしないためにかえって伝わりにくいんですよね。

拝啓 ステファン=グロスマン様

このブログでは、私の敬愛するステファン=グロスマン、及び、彼の発掘したブルースメンのギターテクニックを模倣しつつ学ぶ過程を記していこうと思います。よろしくお願いします。

まずはチューニング。カントリーブルースならオープンDやGなどにするのもポピュラーですが、最初はレギュラーチューニング(EADGABE)でいきます。
私のやり方は、音叉と5弦7フレットのハーモニクスを合わせ、次に5弦5ハモと4弦7ハモ、4弦5ハモと3弦7ハモ、3弦12フレットのハーモニクスと2弦8フレットの実音、2弦5ハモと1弦7ハモ、6弦5ハモと5弦7ハモと合わせていき、最後に1弦と2弦の実音がそれぞれ5弦・6弦のハーモニクスといい感じであっているか確認して終了です。
難しいことはよく分からないのですが、上記のやり方だと純正律と平均律の折衷的な調律になってしまうそうです。
ギターは平均律楽器なので、絶対音感を持たない人は機械に頼るしかなさそうです。もっとも、相対音感であっても「何弦と何弦の純正律と平均律の差は何セント……」という風に記憶していて極めて正確にチューニングする人もいるようです。すごいですね~。
xylophone.jpg
まぁ、近くにピアノがあればそれに合わせるって手もありますね。私の友達は木琴を使ってました(笑)