アメリカの世界の警察離れ

Covert Terror Cell Emerges as Leading Target of the U.S.

–The New York Times, September 25, 2014

昨日のニューヨークタイムズの見出しです。ある人から、この文の意味が取れないと言われたのでちょっとレクチャーしてみます。

covert terror cell は「隠れたテロ組織(細胞)」、emerge は「(突然)姿を現す」、target of the U.S. は「合衆国の標的」。ここまでは分かると思います。

問題は leading で、これを動詞だと思ってしまうと emerges と leading で動詞が2つあることになってしまってわけが分からなくなります。

ここでは、leading は target に掛かる形容詞なのです。

よく、リーディング・カンパニーなどと言いますよね。あれです。leading target は「主要な標的」とでも訳せば良いでしょう。

従って、「隠れたテロ組織がアメリカの主要な標的としてにわかに注目されている」という意味になります。

記事を読んでみると、隠れたテロ組織とは、シリアで活動する Khorasan というグループだそうです。

少し前まではアルカイダ、現在はイスラム国が注目を集めていますが、あまり知られていない組織の中にも、危険なものがあるということでしょう。

もっとも、アメリカの指導層は世界の警察を以て任じているとはいえ、世論調査によれば、国民はその政策に懐疑的になりつつあるといいます。確かに、「テロとの戦い」はアメリカの安全に寄与するどころか、「標的」とされた人々の恨みを買っているだけのようにも見えます。

世論に鑑みればアメリカは今後、軍事介入にもっと慎重にならざるを得ないでしょう。

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