ネット炎上が繰り返される原因

タレントの中川翔子さんのツイッターアカウントが炎上しています。なんでも、猫を保健所に連れて行ったというツイートに対して「保健所に連れて行くなっ」と返信したのだそうです。

中川さんを批判する人たち曰く、「その保健所では譲渡会が開かれている」とのことですが、結局の所、譲渡先が見つからなければ殺処分されることに変わりはないはずです。今回たまたまその猫が誰かにもらわれていったとしても、それは幸運な偶然に過ぎません。

ですから、犬や猫を殺処分すべきではないと考えている人ならば「保健所に連れて行くなっ」と発言するのも無理からぬ事です。

もっとも、炎上しているのは殺処分の是非が問題になっているからではないでしょう。

野良猫は放っておけば良いと考えている人、エサを与える人、とっ捕まえて保健所に連れて行く人、色々な人がいます。みんな自分の考えが正しいとして譲りません。そんな中で中川さんのような「有名人」が声を上げるとどうなるか。

今回のようなバッシングが起こるのです。

インターネットによって誰でも情報発信できるようになったとはいうものの、無名の個人に発言力は殆どありません。しかるに、中川さんは大した見識もないくせに(批判者にはそう見える)偉そうにものを言い、世間も有り難がってそれを聞きます。ずるい! というわけです。

良く言えば声なき者の声、悪く言えば有象無象の嫉妬、要はルサンチマンです。

もちろん、中川さんの側にも苦しい点はあります。例えば、彼女がプロデュースするファッションブランドでリアルファー、つまり毛皮を使った商品がある、猫は保護しなければいけないが兎は殺して皮をはいで良いのか? と言う批判は一応筋が通っています。

しかし、それも結局は批判のための批判であり、もし毛皮を使った商品がなければ、焼き肉パーティーの写真でも探して「牛や豚は殺して食って良いのか?」などと言うのでしょう。

ネットで炎上が繰り返されるのは、大衆の無力感が原因です。彼らは「〇〇さんのブログが炎上」とYahoo!ニュースに出ると、自分たちが「影響力」を行使できたことに束の間の充足感を得るのです。

社会的に見て、多少のガス抜きの効果はあるでしょうが、あまり健全なこととは言えません。

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