猫と杓子とパソコンと

EZTimeline(イージータイムライン)という Webサービスを作りました。

Twitter、Facebook、RSSを一つのタイムラインに表示できるほか、写真のアップロードなどにも対応しています。フォローしている人や購読しているRSSをタブで分類することもできます。タブは自由に作ったり消したりできるうえに並べ替えることもできます。

自分としてはかなりの自信作なのですが、泣き所もあります。

それは現在のところPCにしか対応していないということです。PCの利用は今後徐々に減っていき、タブレットやスマホに置き換えられるであろうことは多くの人が指摘しているところです。ましてや、TwitterにしてもFacebookにしても、現在既にスマホからの利用がPCを上回っていると言われます。今更PC用のサービスを作るのはいささか先見の明を欠くのではないか、確かに私の頭にもそういう考えがよぎりました。

しかし、です。世の中の流れに敢えて逆らってみるのも一つのやり方です。少なくなったとはいえ、主にPCでネットをやってる人は世界中に何億人もいるわけです。外出中はスマホ、家に帰ったらPCという人も多く居ます。EZTimelineは全体をざっと眺めるのに適しているので、PC専用でもそれなりに使い道はある、と思っています。競合が少ない分有利とさえ言えるかもしれません。

PCはよく自動車に喩えられます。そして、皆が皆自動車を持つ必要はないのと同じように、たいていの人にはタブレットやスマホで十分である、というようなことが言われます。
一理ある考え方ですが、必ずしも必要でないとしても、やはり自動車を所有する意味は皆無ではありません。行動範囲が広がりますし、経済にも寄与します。大袈裟でなく、車によって視野が広がる、という側面があるのです。
もちろん、ネガティブな側面もあります。事故の危険、環境への負荷、などなど。その点、PCはそこまで危なくありませんし、車に比べるとエコです。

「皆が皆PCを持つ必要はない」式の議論でもう一つ気になるのが、「自分は十分に知的なのでPCを使いこなせるが、愚民どもはスマホで十分」という鼻持ちならないスノビズムです。
漫画「美味しんぼ」で、交通渋滞に立腹した海原雄山が「必要もない連中が車に乗るからだ! 馬鹿どもに車を与えるな!」とのたまうシーンがありますが、これに通じるところがあります。

PCを捨てて専らスマホを使うということは、常に情報の受け手に甘んじる、ということでもあります。なるほど、スマホでもブログの更新くらいはできるでしょうが、PCに比べると創造性を発揮しにくいことは間違いありません。
「今だってPCで創造性を発揮している人なんて殆ど居ない」という反論があるかもしれません。確かにその通りですが、スマホ一辺倒になってしまえば、ポテンシャルさえなくなります。

天然資源の乏しい我が国にとって、創造性は唯一無尽蔵の宝です。日本人にはAppleやGoogleより優れた製品・サービスを作れない、と誰が決めたのでしょう。決して無理ではないはずです。都合良く日本近海から石油が沸く可能性は殆どありませんが、日本のITベンチャーが世界を席巻する可能性は十分にあります。

そういう意味でも、軽々しく「もうPCなど必要ない」とは言わないで欲しいものです。

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