赤の他人の住民票を取った話

現在少額訴訟をやっています。訴額はわずか10万円だし、こちらは原告なので気は楽です。

しかし、少額とはいえ訴訟は訴訟。やはり、最初に思っていたよりは面倒です。

まず、民事訴訟というものは、訴状の副本を被告に送達して初めて行われます。自分が訴えられていることさえ知らずに被告にされて、知らないから当然期日にも出頭しない→100%原告の言い分が通る、ではさすがにひどすぎますからね。

ところが今回の訴訟では、被告が「不在」ということで送達が完了していないのだそうで、こうなると、「付郵便送達」という手続きに入ります。付郵便送達の場合は発送した時点で送達の効力が発生し、あとは被告が受け取り拒否したり、居留守をしたりしても関係ありません。

ただ、間違った住所にポンと送りつけて、それで送達完了ということになってしまうと被告はたまったものではありませんので、「被告は間違いなくこの住所に住んでいます」ということを疎明する必要があるのです。疎明というのは「証明」ほど厳密ではないのだけど、ざっくり証明するという意味です。

で、その疎明資料と被告の住民票とを添付して「付郵便送達上申書」というのを出さないといけないということになり、被告の住民票を取りました。いわゆる第三者請求です。

自分や家族のならともかく、他人の住民票(の写し)を取るのは初めてです。
被告の住所の区役所に電話してみると、親切にやり方を教えてくれました。要するに便箋でもなんでも良いので必要事項(請求の種別・住所・氏名・請求事由・請求者の住所氏名)を書いて、裁判所から来た手紙のコピーと自分の免許証のコピーを添えて送ってくれとのことでした。それから手数料として300円分の小為替と切手を貼った返信用封筒も同封してくれ、と。

言われたとおりに請求を出したのが先週の金曜です。被告がきちんと現在の住所で転入届を出しているか分からないので、取れるかどうかはフィフティ・フィフティだと思っていました。

しかし、今週の火曜に裁判所から電話があり、担当の書記官から「もう、住民票届きましたか?」と聞かれたので、その時点では届いていなかったのですが、「あ、これは住民票出たな」と確信しました。

というのも、被告の住民票を取るように言われたのが先週の木曜、三連休をはさんでまだ火曜ですから普通に考えたらもう少しかかるはずです。にもかかわらず、「もう、届きましたか?」と気の早いことを言うのは、区役所から問い合わせがあったからだろうな、と。もし、住所が違っていて「該当無し」の場合は、区役所は裁判所に問い合わせるまでもなく私に送り返すでしょうから、問い合わせがあった、イコール、大丈夫だった、と思ったわけです。

案の定、今日無事被告の住民票が届きました。

他にも、期日変更申請書を出したり、変更の通知に対して請書を出したりと面倒なことだらけです。が、わずか10万円の訴訟にあまり労力を裂いてもいられません。淡々とこなしていくしかありませんね。

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