問題は総理の人格ではない

安保関連法制に抗議する女子学生のスピーチに対して、武蔵大の北村紗衣氏が「保守的・伝統的な性役割に基づいた家族モデルへのノスタルジーだと思った」と批判したことが物議を醸しています。

元のスピーチの批判された部分は以下の通り。

「家に帰ったらご飯を作って待っているお母さんがいる幸せを、ベビーカーに乗っている赤ちゃんが、私を見て、まだ歯の生え ない口を開いて笑ってくれる幸せを、仕送りしてくれたお祖母ちゃんに『ありがとう』と電話して伝える幸せを、好きな人に教えてもらった音楽を帰りの電車の 中で聞く幸せを、私はこういう小さな幸せを『平和』と呼ぶし、こういう毎日を守りたいんです。」

私は全体としてはこのスピーチを支持しませんが、批判は的外れであると考えます。なるほど、「ご飯を作って待っているお母さん」というフレーズからは保守的・伝統的な家族像が思い浮かびますが、他の部分を読めば、この人にとっての平和のイメージの一例に過ぎないことが分かります。

togetter のコメント欄にそのように書いたところ、九州大学法学部准教授の大賀哲氏からメンションを貰いました。

保守的家族観の是非についても私は別の考えを持っていますが、当の女子学生はそれを是とするわけではないでしょう。彼女に対して、自己の発言がどういう人達にどのように利用されるか見通した上で喋れと求めるのは、不可能を強いるのに近いと言えます。

最後に、なぜスピーチを全体としては支持しないか。

それは、問題を安倍総理の人格に帰しているからです。政治的発言にはしばしば見られることですが、「こいつは傲慢で卑劣で血に飢えたファシストである。だから……」という論理で語ってしまっています。

大切なのは安倍総理の人格ではなく、法律の中身であるはずです。具体的にどの法律の何条がどのような理由で危険なのか。我々の安全を増すのか減じるのか。そこを論じるべきです。

総理の人間性は重要ではありません。

院内の石橋

一昨年の二月に大分県の院内というところへ行ったのですが、先日また行ってきました。前回一つしか見られなかった石橋をもっと見たかったのです。

鳥居橋

まずは前回も訪れた鳥居橋。これが一番有名のようです。

渓流

渓流がいかにも涼しげです。

打上橋

打上橋。アーチが一つだけの小さな橋で、上にちらっと写っていますが現代の橋が重ねるように架けられており、生活道路として使われています。探し出すのに苦労しました。

御沓橋架設記念碑

御沓橋梁架設記念碑。

御沓橋

そしてこれがその御沓橋の下から見上げた姿です。

荒瀬橋

こちらは荒瀬橋。ご覧のようにかなりの高さがあります。

富士見橋

富士見橋。蔓草が生い茂っていますね。

分寺橋

そして、今回最後に回った分寺橋です。これも見つけるのに苦労しました。

院内の石橋は、七十以上もあるそうです。全て見て回るのは困難ですが、主なものだけでも見られて満足です。

実は亡父が子供の頃この近くに住んでいたそうで、もう一度この石橋群を見たいと言っていましたが、かないませんでした。親孝行したいときには親はなし、ですね。

橋脚

[JavaScript]タッチ操作対応

JavaScript による Webアプリのタッチ操作対応について簡単にまとめてみます。実際動いている様子はこちらをご覧下さい。

まず、window.TouchEvent オブジェクトがあるかないかでタッチ操作可能か判断します。次に、タッチ操作特有のイベントをリッスンする関数を指定します。

if(window.TouchEvent){
   if(document.addEventListener){
      document.addEventListener("touchstart",onTouchStart);
      document.addEventListener("touchmove",onTouchMove);
      document.addEventListener("touchend",onTouchEnd);
   }
}

各イベントハンドラに渡されるタッチイベントオブジェクトは、配列になっています。ですから、event.pageX といった形ではアクセスできず、 event.touches[0].pageX となります。screenX、clientX なども同様です。

function onTouchStart( event ){
   var x = event.touches[0].pageX;
   //alert( x );
}

前回も書きましたが、意外にハマるのが touchend イベントで指が離れた場所を知りたい場合は touches ではなくchangedTouches を見る必要がある点です。touches に入っているのはあくまで今タッチしている指だけであって、指が離れた瞬間 touches ではなくなるという理屈です。

function onTouchEnd( event ){
   var x = event.changedTouches[0].pageX;
   //alert( x );
}

なお、上記では document.addEventListener としていますが、実際のコードでは描画を行う canvas要素だけタッチイベントをリッスンしています。

更に、 event.preventDefault(); とすることでタッチ操作本来の挙動をキャンセルしています。こうしないと、キューブを回転しようとするとページまでスクロールしてしまいますので。これも、マウスとは違う点です。

さて、WebGL ですが、少なくとも手元の iPhone6 ではスムーズに動作しています。かなり将来性のある技術ではないかと思います。

iOSが走る端末をお持ちの方は、ぜひ実際に動かしてみて下さい

WebGL をタッチ操作

以前作った WebGL のデモページを iOS に対応させました。

タッチ操作を可能にするには touchstart や touchmove、touchend といったイベントをリッスンしなければなりません。さらに、イベントハンドラに渡されるイベントのオブジェクトが配列になっている点がマウスイベントとは異なります。ですから、

onMouseDown( e ){
   if(window.TouchEvent){
      e = e.touches[0];
   }
}

のようにしなければなりません。

マウスイベントの場合は、例えば e.pageX にマウスボタンを押下した瞬間のページ内でのX座標が入っていますが、タッチイベントではタッチした瞬間のそれが e.touches[0].pageX になるというわけです。

ちなみに、touchend の場合は touches[] ではなく、changedTouches[] です。

4年前に WebGL の普及に関して悲観的な予測を書きましたが、豈図らんや、現在では IE11までが対応済みです。これで Firefox、Google Chrome、IE と主要なブラウザの全てで WebGL が使えるようになりました。

良い意味で予想が裏切られました。

霧島、天草

2泊3日で鹿児島県の霧島へツーリングに行ってきました。生憎5月3日は終日雨模様で、ご覧の通りぐっしょりです。

雨

午前5時に出発して雨の中を走りに走り、昼頃に至ってやや小降りになるも、空は異様に雲の多い状態です。

曇天

大雨の日に高速を走ると、ライディングジャケットの上にカッパを着ていても雨粒が痛いですね。ですが、これも良い思い出です。

霧島高原

旅館の窓より。ようやく晴れてきました。

翌日は鹿児島県北部の長島というところからフェリーに乗って天草へと向かいます。と言っても、船旅はわずか40分ほどです。地図で見ると分かりますが、長島から島原の牛深までは目と鼻の先です。

天草では有名な崎津教会などを見物し、宿屋へ。

刺身

この刺身、これで一人前です。

リップルランド

天草にある道の駅「リップルランド」の前の歩道橋より。とても景色の良いところです。

実は今回、ブレーキランプがつきっぱなしになるというトラブルに見舞われました。後ろを走っていた人に指摘され、最初は無意識に右足ブレーキを踏んでしまっているのかと思い、意識的につま先を上げて走ってみましたが、それでもブレーキランプがついていると言います。

結局、ブレーキランプスイッチの調整が悪かったようです。とりあえず応急処置でなんとかなりましたが、いつ頃からつきっぱなしになっていたのでしょうか。気になります。

ともかく、無事に帰ってこれました。やはり、走ったことのない道を走り、見たことのない景色を見るのは楽しいですね。

べき思考で何が悪い

近頃、「~であるべき」や「~すべき」といった「べき思考」をやめようという話を良く聞きます。ドン・キホーテのように思い込みが強い私(笑)には耳が痛い話です。確かに一般的には、思い込みは少ないに越したことはなく、べき思考が自分や他人にストレスを与える蓋然性は高いと言えます。

しかし、敢えて問いたいと思います。この世に「べき」は一つもないのか、と。

そうは思えません。約束は守るべきだし、税金は支払うべきです。人を殺すべきではないし、人のものを盗むべきではありません。

このように言うと、「それらは当然のことであって、べき思考とは違う。べき思考とは間違った思い込みで物事を決めつけることだ」との反論があるかもしれません。では、何が間違った思い込みで、何が正しい信念なのでしょうか。

生産性がないといけない?

ある論者が「べき思考は生産性がない」と述べているのを見たことがあります。「生産性がないからやめるべき」と言わなかったのは誉めてあげても良いのですが、結局はそう言っているようなものです。つまり、「生産性はあって然るべき」という価値観の表明です。

そのこと(生産性を重んじる価値観)自体は別に構いません。私も基本的に同じ考えです。問題なのは他人に「それは『べき思考』ですよ、思い込みを捨てなさい」などと言いながら、実は自分も「べき思考」なことです。

人は自分の価値観は正しく、他人の価値観は間違っていると思いがちです。あなたが「くだらない思い込み」と感じているのは、彼にとっては「枉げることのできない信念」なのかもしれません。

議論するなら価値観の相違を認めた上で

誤解して欲しくないのは、「だから他人の価値観に触れるな」と言いたいわけではないということです。自分と異なる価値観を持つ人がいたら、「それは私の考えとは違う」とはっきり言えば良いのです。ただ、「それは『べき思考』だからやめろ」とだけは言ってくれるなと、そう言いたいのです。

自分が「べき」と思っていることは本当に「べき」なのか絶えず点検するのは結構なことです。しかし、それが他人に向けられると話が変わってきます。「べき思考の排除」が、ややもすると他人の信念を尊重しないための方便と化すことには注意を要します。

Yamaha FZ1

Yamaha のスポーツバイク、FZ1 を一日レンタルして乗ってみました。排気量が1000cc もあるわりには軽い、というのが第一印象でした。

FZ1

この FZ1、エンジンはDOHC・5バルブ4気筒で、極めて強力です。店を出て最初の加速で魅了されました。なるほど、これは凄いですね。

ただ、高速道路に入ると風の抵抗を強く受けるのは普段乗っているCB400SFと同じで、エンジンが回るからと、どんどんスピードを出すわけにはいきません。制限速度もありますしね。

もう一つの問題点は燃費で、半日で190kmほど走り、満タンにして返しましたが、11L 入りました。つまりリッター20キロ行かなかったわけで、ワンタンクで行ける距離はCB400SFの半分以下です。まあ、大型バイクはそういうものかも知れませんが。

要するに、FZ1 はツーリングよりはスポーツ走行に適したバイクです。

FZ1-フォーク

倒立フォークなのでステアリングはあまり切れません。このへんもスポーツバイクらしいところですね。もっとも、ポジションは意外に楽で、前傾もさほどではありませんでした。

FZ1-メーター

メーターはスピード計がデジタルで回転計はアナログです。視認性は悪くないのですが、ちょっと質感が安っぽいのが残念です。

FZ1

シート高は815mm。結構高いです。足を伸ばすとステップに当たる感じで、それを避けて立つには少し慣れが必要でした。

というか、私のようなおじさんにはこの近未来的なデザインは合いませんね。かなり「無理しちゃってる感」が漂ってしまいます(笑)

高性能な割りに比較的安価(新車で実売100万円切る)なので、とにかく安くて速いバイクが欲しい人にはお薦めです。

選挙カーの騒音は選挙への関心を妨げる

毎度ながら選挙への関心が薄い

第18回統一地方選挙の投票日(12日と26日、地方による)が近づいています。しかし、毎度のことながら市民の選挙への関心は希薄で、周囲でもあまり話題になっていません。

今回のような地方選のみならず、国政でも近年、投票率が低迷しています。投票率が低いことの原因としてよく言われるのが、「日本の政治がお粗末だから」ということです。確かに一部の政治家のふるまいは政治への失望を与えるに十分ですが、「だから投票に行く気が起きない」というのはおかしな話です。

お粗末な政治家が多いなら、なおのことまともな人を選ぼうとして、政治への関心がむしろ向上する可能性だってあります。

現状がそうなっていないのは、日本の官僚がある程度有能で、誰が議員であっても国家をうまく運営できてきたからでしょう。少なくとも、これまでのところは。

ですが、とりあえず大丈夫だから、と国民が政治に無関心で居続けると、将来、「これはいけない」と思ったときには手遅れ、ということになります。民主主義は制度であるとともに多分に文化であって、一朝一夕には成り立ちません。

民主主義の伝統を守り育てるためにも投票率を高く保つことは必要です。

選挙カーの騒音が、選挙=迷惑というイメージを作る

では、投票率が低迷するのはなぜなのか。私の考えるに選挙カーがうるさいのが最大の原因です。

「どうか〇〇をよろしくお願いいたします! 〇〇、〇〇、〇〇でございます!!」

……とヒステリックな声で候補者の名前を連呼するのが典型的なフォーマットです。これではその候補者がどういう考えを持っているか、どういった政策を行おうとしているのか、さっぱりわかりません。

単にうるさいだけです。

それどころか、「ああ、また選挙か。イヤだなあ」と、選挙制度へのネガティブなイメージだけが広がります。

これからの選挙運動はインターネットで

選挙には規制が数多くあり、選挙カーが名前を連呼するのも、法律で「走りながら演説をしてはいけない」と決められているからです。

また、戸別訪問は原則として禁止されています。「こっそりワイロを渡したりするかもしれない」からです。まあ、家に来られるのも選挙カーのうるささとは別のベクトルで迷惑なので、強いて解禁すべきとは思いませんが。

今後一番有望な選挙運動の方法は、やはりインターネットを用いたものでしょう。既に公選法が改正され、何人も「ウェブサイト等を利用する方法」による選挙運動ができるようになっています。

選挙期間中に限らず、これからの時代、政治活動の場は自ずと街頭からネットへと移っていくはずであり、またそうあるべきです。ネットを利用しない、あるいは利用できない人達の政治参加が阻害されるという批判もありますが、これだけネット利用のコストが下がった現在では、あまり心配する必要はないでしょう。

ともかく、あの、うるさい、選挙カーによる名前連呼だけは早く無くなって欲しいものです。

桜、広角レンズが欲しい

桜が満開です。

桜

白野江植物公園では平日にもかかわらずシートを広げてお花見をする人達も。

お花畑

他にもなにやら咲き乱れています。

チューリップ

チューリップは少し盛りを過ぎてますでしょうか。

桜

別の場所ですが橋の下にも桜が。

桜

桜

この桜は樹齢四、五百年と言われているそうです。普段、18-135mm のズームレンズを愛用(これしか持ってない)していますが、枝振りが立派すぎて、広角端でも全体を収めるのは困難です。もう少し広角のレンズが欲しくなりますね。

ニッカウヰスキー、菜の花

ニッカウヰスキーの倉庫の前に菜の花が沢山咲いていました。

菜の花

私は見ていませんが、ニッカウヰスキーの創業者とそのスコットランド人の奥さんとを描いた「マッサン」というドラマがヒットしたそうですね。

この菜の花にしても自然に生えてきたわけではないでしょうし、なかなか自己演出の上手い会社です。

ベンチ

中ほどにベンチが置かれています。ちょっと鳥の糞がかかっているのはご愛敬(笑)

蛇口