「w」を毛嫌いしないで

ネットでよく使われる「w」、否定派が上回るという記事を見掛けました。

ちょっと違うなと思ったのが、ネットでよく使われるのは「w(全角英数)」であって、「w(半角英数)」ではない、ということです。

このことから、このアンケートの実施者(たち)は「w」を使わない人(が多い)と思われ、アンケート自体に「w」の使用に対する否定的なバイアスが掛かっていることは想像に難くありません。

そんなわけで話半分に読まなければならない記事ではありますが、そうですか、「w」に対する反感って意外に根強いんですね。

「w」の使用は、いわゆる「ら抜き言葉」に似ています。
ら抜き言葉を擁護する人たちの口癖は「ら抜き言葉は合理的だ」というものです。

即ち、正しいとされる日本語では受身と可能が同じ助動詞「られる」で表現されるが、可能の場合は「れる」、受身の場合は「られる」を使うことで両者の区別が容易になる、というものです。

これに対して私は若干の異論を持っていて、言語の用法は合理性のみによって決せられるべきではない、と思っています。

例えば、英語。もし、不規則変化は不合理だからと下のような文を綴ると、どう思われるでしょうか。


©MagicTuscan: CC BY-SA

The Badest mans runed away.

おそらく、意味は100%通じるでしょうが、非常に奇妙な印象を与えるのは間違いありません。

ら抜き言葉の合理性なるものも、これと同じで、必ずしも説得力を持つものではないと考えています。

少し脱線しました。

ら抜き言葉には多少抵抗のある私ですが、実は「w」は割と好きでよく使っています。

「w」は「(笑)」が省略されたものであり、タイピングの労力を減らすという意味で合理的な表現方法です。

それに加えて「w」の無視しがたい機能として、「程度の表現」が挙げられます。
ちょっと笑ったなら「w」、大笑いしたなら「www」、抱腹絶倒したなら「wwwwwwwwww」と、「w」の多寡によってどのくらい笑っているのかを表せるわけです。
これは「(笑)」には出来ない芸当です。

この機能は特にチャットにおいて便利で、相手のジョークに対して適切な度合いでウケてみせることは、若い人の間では「ちゃんとあなたの話を聞いてますよ」というアピールにもなっているようです。

ややこしいのは、「w」は嘲笑の意、などと誤って言われ続けていることです。

「(笑)」でも文脈によっては嘲笑の意になるのはご承知の通りで、「w」もそれと何も変わりません。

むしろ、「w」が主に使われている場所で、敢えて「(笑)」を使うと悪い意味に受け取られる可能性が高いのです。

「w」を擁護するもう一つの理由は、それが非音声的記号であるということです。
ら抜き言葉は主に会話で使われるものですから、その違和感は聴覚と結びつけられています。
一方、「w」はただの記号で、日本語を破壊する作用は特にない、と思うわけです。

ら抜きにしろ「w」にしろ、それを使っている人の前で、「正しい日本語」の講釈を始めると、ものすごく嫌われることは請け合います(笑)

郷に入っては郷に従え、と言います。

もし、「w」がよく使われているような場に通りかかったら、あまり頭ごなしにを嫌わずに、あなたも使ってみてはいかがでしょうか。

もちろん、当ブログのコメント欄でも「w」の使用は歓迎です。

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