アップビート≠アップテンポ

アップビートとアップテンポ、テンポが速いこととは全く違うのですが、混同されていることが多いようです。
アップビートとは何か。誤解を恐れずに言えば、体を動かしてリズムを取ったときに体が上に来る音です。4分の4拍子であれば2,4拍目(アフタービート)がアップビートであると考えることもできるし、1拍をオモテとウラに2分割した場合のウラをアップビートと考えることもできます。
以前の記事にも書きましたが、オモテばかりでウラを感じ取っていないのがリズム感を悪くする主な原因のようです。オモテ、つまりダウンビートに意識を集中するのは良いとして、その前の拍のウラが予備動作として常に伴っていることにも意識を向けなければいけません。

bounce_feel.gif

ブルースで言えば、ター・タ、ター・タのバウンスフィールの後拍の”タ”がアップビートですが、その”タ”から始まる曲がとても多い。これ即ちアップビートの曲、ドイツ語でアウフタクトの曲なわけですね。つまり、アップビートとは私たちが慣れ親しんでいる言葉で言えばアウフタクトのことです。

と、まぁ、理屈は簡単なのですが、私たち日本人にとって難しいのは「体を動かしてリズムを取る」ことなのかも知れません。以前テレビで見かけたのですが、村おこしで公民館にジャズバンドを呼んだのですね。ですが、せっかくのジャズコンサートだというのに、全員椅子に腰掛けたまま身じろぎもせずに聴いているのです。踊るのは無理にしても、せめて首を振ってリズムを取る人くらいいても良さそうなものですが誰もいません。あれはもったいないですね。恥も外聞もなくぶんぶんと体を揺らした方が絶対に楽しいはず。音を楽しむ、音楽の音楽たる所以です。ただ、誰もやってないのに一人だけやるのは確かに勇気が要りますね(笑)
その点、ロックでは観客が立ち上がって手を振るのが当たり前になっています。私は PA で極端に増幅された音はあまり好きではないのでロックコンサートには殆ど行きませんが、「全身を使って音を楽しむ」という意味では見習わないといけませんね~。

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